岸田文雄氏が日本の首相に就任した後、中日関係が苦境から抜け出すかが注目されている。岸田氏は総裁選で強硬な発言を繰り返し、経済安保、国防建設、人権の処理、島の係争への対応などでタカ派の姿勢を示した。これが政策の公約ではなく選挙対策であると信じたい。未来を見据え、中日は両国関係の正と負の両面の経験を真剣に学ぶ必要がある。中日関係がこのほど低迷しているが、その負の経験は岸田新政権が特に注意し教訓にするべきだ。「環球時報」が伝えた。
(一)経済安全保障と正常な経済・貿易交流の「度」を正確に把握する。前者が度を越し中日の経済協力をかき乱し、両国関係のバラストに傷つけることを避ける。岸田氏は経済安全保障を非常に重視しているが、これは重大な事であり、バランスと適度を把握するべきだ。
(二)軍事モデル転換の促進において、「自衛」と「攻撃」の境界を慎重に処理する。岸田氏は総裁選で日本の「再軍備・再武装」に熱心な姿勢を示したが、どこを念頭に置いているかは言わずもがなだ。これは中日の安全の苦境と地域の不穏を引き起こす。互いに脅威にならないは中日の政治的共通認識であり、アジアの隣国も「武雄」ではなく「文雄」首相に期待している。
(三)中国への内政干渉について探りを入れるのを停止し、レッドラインを踏まない。中国との駆け引きの激化に伴い、日本は人権(価値観)及び台湾問題をめぐり禁忌としてきたツールを用い、しばしば線を踏み越えている。中日関係に新たな複雑で困難な局面が生じている。中国側はこれについてすでに何度も注意・警告している。
(四)一般的な(国境をめぐる)係争と戦略的な対抗の区別を理性的に区別する。島をめぐる争いにより国の危機と全体的な対抗を煽り、一部の係争により中日関係全体の発展を操るべきではない。
(五)内政で対中外交を操り、干渉しない。日本の政界の保守・右翼勢力などの非健全な勢力による恣意的な撹乱、中日関係への破壊を座視・放任すれば、極めて大きな危害が生じ後々の心配が絶えない。
(六)日本は中米日の三角関係において適度なバランスある姿勢を保ち、一定の戦略的自主性を維持する。日本はかつて複雑な国際関係の中で巧みにバランスを保つ対中政策を設計したが、最近、特に菅義偉政権の1年以上に渡り日本の外交のバランスに大きな乱れが生じた。米国と共同で中国けん制に力を入れ、中日関係が持続的に膠着し冷え込んだ。
岸田内閣が負の経験にしっかり学び、自粛・自制し中国への善意を示すことができれば、悪化が止まらない中日関係の一時停止ボタンを押せるかもしれない。さらに双方の積極的な意思疎通と働きかけにより、動的変化の中で一歩ずつ蓄積を続けることができれば、岸田政権下で中日関係が大きく改善する余地と発展の空間ができるだろう。(筆者・呉懐中 中国社会科学院日本研究所副所長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月12日