東京五輪でパラリンピック応援大使を務めた落語家の林家三平さんはこのほど、新華社の取材に応じ「パラリンピックをはじめとする選手が笑顔で競技に参加するには、主催者側も多大な努力が必要です。小さなことにみえて実はとても大切で、良い結果をもたらすものなのです」と語った。
応援大使を引き受けた理由について「私は人を笑わせることが得意で、選手のみなさんに笑顔を伝染させることができるからです」と笑顔で答えた。
三平さんはかつて、中国に笑いをもたらしたことがある。20年余り前から中国を訪れるようになり、厦門や寧波、大連などで落語大会を開いて回った。その大連で開いた最初の落語大会でのことをこう語った。
「中国人スタッフが用意してくれたシルクの美しい座布団に正座してお辞儀をしたのですが、つるんと滑り落ちて、会場中の笑いを誘ってしまいましてね。普通の人なら恥ずかしいと思うでしょうけど、でも、みんなで笑えば心がつながるんですね」
コロナ禍の東京五輪での経験について話を聞いた。
「IOC(国際オリンピック委員会)は昨年、『より速く(Citius)、より高く(Altius)、より強く(Fortius)』というオリンピックのモットーに『一緒に(Together)』を加えました。この言葉には、コロナ禍で開催する五輪に向けた深い意味が込められています。感染拡大で無観客での開催となりましたが、心を込めて応援すれば、その気持ちが必ず選手に伝わるということを、東京五輪は教えてくれました。
SNSを使って選手を応援したり、メディアに寄稿して励ましたりできます。東京五輪では、日本人は家族でテレビを囲んで選手を応援したり、インターネットで友だちと競技についてチャットでおしゃべりを楽しんだりしました。中国でも、もっともっとオンラインを活用して、お互いの気持ちや熱意を伝えられたらいいと思います。
五輪は単なるスポーツイベントではなく、開催国が自国の文化を外部に発信するための大切な機会であり、窓口だと考えています。1970年代、80年代生まれの日本人の多くは、私のように三国志を読んだり、三国志のゲームで遊んだりして育ってきたのです。中国の古典文化は私たちに大きな影響を与えてきましたが、今回の北京冬季五輪でも、より多くの中国の文化的要素を見ることができると期待しています。
今年は中日国交正常化50周年に当たりますが、国交が正常化した時、私は1歳でした。私は常に両国の友好を大切にしてきましたが、これからも草の根レベルの交流を深めていきたいと思います」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月1日