就任間もない日本の浜田靖一防衛相はこのほど、宇宙とサイバーの両作戦部隊を宇宙サイバー防衛集団に統合する防衛省の計画を明らかにした。あるメディアは、宇宙とサイバーの両戦力の融合的発展を推進する日本の意図は、新しい質の戦力を集約・統合して軍事力を高めることにあると分析。その一連の対外的軍事措置が、負の効果や軍備の連鎖反応を誘発する可能性を指摘する。(文:紀小勇、張暁波。中国国防報掲載)
■防衛集団が登場へ
報道によると、日本の宇宙サイバー防衛集団は、最近新編された宇宙作戦群とサイバー防衛隊をベースに拡張。総員1000人を超え、航空自衛隊に属する。
宇宙サイバー防衛集団は司令部、第1・第2宇宙作戦群、及びサイバー戦部隊を設置。このうち司令部と直属部隊及び第1宇宙作戦群は航空自衛隊府中基地に置かれ、510人編制。第1宇宙作戦群は主に自衛隊の人工衛星の運用・メンテナンスとスペースデブリの除去を担う。第2宇宙作戦群は防府北基地に置かれ、約250人編制。主に衛星信号の妨害状況の監視を担い、妨害発信源の特定作業も行う。
■領域を跨ぎ連動し、共同訓練を行う
日本のサイバー・宇宙戦力は陸上自衛隊と航空自衛隊に分かれているが、「共同訓練」は早くから様々な場面で頻繁に行われてきた。先般閉幕した合同軍事演習「リムパック2022」で、自衛隊は新領域での合同作戦能力の向上を目指して、2つの部隊と10人余りの専門家を派遣し、「航空宇宙防御」「サイバーセキュリティ防御」等の机上演習やフォーラムに参加した。また、米日同盟関連の協定に基づき、今後宇宙サイバー防衛集団は米国が主導するNATO主導の「スペースフラッグ」などの演習に頻繁に参加することになる。
ある日本メディアの分析によると、航空自衛隊の統合管轄下に置かれた後、同集団の指揮系統は一層フラットになり、新たな作戦領域における問題に効率的に対処できるようになる。
■地域の軍拡競争を刺激
浜田防衛相は、宇宙サイバー防衛集団の予算を増額するとも表明した。この部隊の運用・整備の維持を名目に、日本の防衛予算が引き続き高止まりし、さらには周辺地域の軍拡競争を刺激することを外部は懸念している。
政治的な影響から考えると、日本が米国に追随して「正規軍」を編制して宇宙へ進軍することは、宇宙空間の非軍事化という準則への違反となる。また、サイバースペースにおける軍事活動の隠密性と特殊性は、自衛隊の活動に「グレーゾーン」を与える。今後、日本はさらに軍備を拡充し、自衛隊の活動範囲を拡大し、攻撃性をさらに強めていくと見られ、その動向を注視し続ける必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年9月5日