国交正常化50年 日本は現在も対中協力が必要

中国網日本語版  |  2022-09-13

国交正常化50年 日本は現在も対中協力が必要。日本は今年、中国けん制の最前線に立ち、台湾海峡問題で対抗を唆し、地域経済・貿易問題で米国に極力迎合している…

タグ:50周年 協力 中日関係 経済界

発信時間:2022-09-13 14:48:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本経済団体連合会(経団連)の十倉雅和会長はこのほど、良好な日中関係の構築は東アジアの平和と安定にとって極めて重要であり、日本の経済界は中国との交流促進に尽力すると述べた。日本の岸田文雄首相も最近、国交正常化50周年を機に中国と積極的に対話を展開する意向を示した。中国への態度の微妙な変化は、日本の中国への焦りと、日本が現在迎えている経済的な苦境を反映している。(筆者・項昊宇 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員)

 

 日本は今年、中国けん制の最前線に立ち、台湾海峡問題で対抗を唆し、地域経済・貿易問題で米国に極力迎合している。日本の政界は不可解な執念を見せている。現実を見ると、中国はすでに15年連続で日本にとって最大の貿易パートナーであり、日本の貿易に占める対中貿易の割合は20%を超えている。昨年の中日二国間貿易額は過去最大の3714億ドルにのぼった。現在3万社を超える日本企業が中国に投資し、事業展開しており、毎年の中国での売上高が5000億ドルにのぼっている。日本の一部の政治エリートはこの経済関係を無視し、「経済安全」を守るという旗印を掲げ、米国の対中「デカップリング・チェーン断裂」に協力すると騒ぎ立てている。これは自他を害する短絡的な行為と言うしかない。

 

 日本の今年上半期の経済成長率はわずか0.9%で、主要経済体の中で引き続き最下位となった。日本経済は現在少なくとも、円安、感染症の衝撃、物価高騰という「三重苦」に直面している。さまざまな苦境は親密な同盟国、米国のせいだ。世界3位の経済体である日本の経済と金融は米国と深く結びついており、米国の財政・金融政策のすべての異変が日本に速やかに伝わり、影響が拡大する。現在の大幅な円安の原因は、日米の金利差の拡大だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ・バランスシート縮小の時期に入るなか、日銀は景気を下支えするためゼロ金利の量的緩和策の維持を余儀なくされている。これにより円が持続的に売られ、最大で30%弱の円安になっている。円の長期的な「リスク回避通貨」としての光の輪が完全に消えた。世界3位の取引通貨、世界4位の準備通貨のこれほど大幅な円安は、日本経済の脆弱性を反映している。日本の経済学者は、日本は長期的な「超円安時代」に入り、長年に渡る経済運行のロジックを打ち壊し立て直す必要が出てくるかもしれないと指摘した。

 

 さらに致命的なことに、円安は日本の国際的な購買力と競争力の低下を招き、ドル建てで計算される経済規模がさらに縮小する。日本経済がピークだった1995年に、そのGDPは5兆5000億ドルと当時の米国の70%を占め、世界経済に占める割合は16%だった。30年で世界経済の構造に大きな変化が生じ、その間に中国経済の規模が20倍拡大し、米国も3倍拡大したが、日本経済は足踏みをし、さらには後退した。現在の為替レートで計算するならば、今年の日本のGDPは4兆ドルのレベルまで落ちる可能性がある。世界3位の経済大国の地位が危ぶまれているが、日本の戦略エリートは深く反省するべきだ。皮肉なことに、岸田政権は国庫を空にしてまで防衛費を拡大しようとしており、うち多くの増額された経費が米製の武器装備の調達に用いられる。急激な円安を背景としながら、またもや米国にざっくり刈り取られることになりそうだ。

 

 中日関係には古くから「政冷経熱」という言葉があり、経済・貿易協力が「安定装置」の力を発揮してきた。ところが中国税関総署の今年1−8月の統計によると、中日二国間貿易額がすでに中韓に抜かれており、日本は中国にとって2番目の貿易相手国の地位を失う可能性が高くなっている。日本は近年、対中貿易で巨額の黒字を手にし、対中輸出が日本経済の重要な支柱になっていたが、今年の対中貿易黒字は急激に減少している。これは主に国内外の経済環境の変化によるものだが、日本の対中政策の消極的な動きとも関係している。この状況下、日本の経済界は岸田政権に対中関係の改善を求めているが、これは日本の国内経済の情勢に迫られてのことと言える。

 

 中日は今月29日に国交正常化50周年を迎える。日本の経済界は当時、中国との国交正常化を促す「急先鋒」だった。60年代に全日空の岡崎嘉平太社長、新日鉄の稲山嘉寛社長ら古い世代の経済関係者が中日間を奔走し、日本政府に中日国交正常化を強く促した。当時の自民党は内部で争いを続けていた。ニクソン米大統領が訪中を宣言したことで、同盟国から出し抜かれた自民党政権がようやく目を覚ました。田中角栄は首相就任後の1972年7月、直ちに訪中の決定を下した。田中の秘書は「朝日新聞」の取材に対して、田中が国交正常化を決断した時に、「中国は大きすぎる。日本は中国と交流しないわけにはいかない」と述べたと明かした。

 

 時は流れ、中国の経済規模が逆転を果たしたが、協力とウィンウィンの互恵関係に変化はない。新時代に合致する中日関係を構築するためには、日本が歴史から経験と教訓を汲み取り、現実をしっかり認識する必要がある。これは日本が中国対抗により安全を得られないが、対中協力によって発展を得られるということだ。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月13日

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