米ドル覇権下の金融競争、日銀がFRBの操り人形に

中国網日本語版  |  2022-10-19

米ドル覇権下の金融競争、日銀がFRBの操り人形に。

タグ:米ドル 金融競争 日本

発信時間:2022-10-19 11:20:53 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米国を除く各国の金融市場が依然としてドル高に苦しめられている。一部の新興国と発展途上国はドル高、借入コストの高騰、資本の外部流出という3つの衝撃を受け為す術を失っている。ドルに対する大幅な通貨安に陥っている日本と韓国は最近、為替レート防衛戦を開始した。世界では極めて過酷な金融競争が展開されており、米ドルが覇権を握っている。

 

 先ほどワシントンで開かれた国際通貨基金(IMF)と世界銀行グループの2022年年次総会は、先進国の金融引き締めの新興国及び発展途上国への影響について重視した。IMFのゲオルギエバ専務理事は政策決定者に物価抑制、責任ある財政政策、金融安定の維持を促した。ところが米国の主な政策決定者にとって、世界経済と金融市場の多くの厄介な問題は米国と関係がないと見ている。バイデン米大統領の論理によると、バイデン氏は急激なドル高ではなく世界のその他の地域を懸念している。「他国の経済成長が乏しく、健全な政策が欠けていることが問題だ」これは日本、韓国、欧州、一部の新興国及び発展途上国の通貨安や物価高がすべて自分のせいであり、米国に原因を求めるべきではないという意味だ。

 

 米ドルの国際貿易及び金融分野における主導的な地位を考えると、数カ月内の大幅なドル高はほぼすべての国のマクロ経済に大きな影響を及ぼした。ドルレートの10%の上昇の物価上昇への伝導率は平均1%。またドル高は世界の圧倒的多数の国のバランスシートに大きな衝撃を及ぼしており、債務問題をエスカレートさせている。そのため「急激なドル高ではなく世界のその他の地域を懸念する」という意思表示は事実上、露骨な責任転嫁だ。

 

 日本と韓国を例とすると、両国の中央銀行は最近「同病相哀れむ」になっている。各自の通貨が「アジアでパフォーマンスが最悪の通貨」になるのを見ながら為す術もなく、政策ツールボックスのほぼすべてのツール(大量の外貨準備高の投入による為替レート安定など)を用いても、その効果は微々たるものだ。両国の絶対的な金融の実力が米ドルに勝てないことがその重要な原因だ。つまり米ドルを前にして、日本と韓国の外為市場への干渉は現金を用いたマインド安定と自己救命であるが、市場の投機家は流れに乗るだけでより大きな利益を獲得できる。そのため両国の中央銀行が大量の外貨準備高を用いても為替レートを安定させることは難しい。特に世界3位の経済国である日本は、貿易収支と経常収支のダブル赤字の、実体経済と仮想経済という経済の2つの領域における悪循環に直面している。円安により資産価格が低下し、空売り勢力が力を増し、日本政府に金融政策の調整を強いる。ところが日銀は周囲への影響を恐れ、赤字融資の一歩を軽率に踏み出せず、米連邦準備制度理事会(FRB)の操り人形に成り下がっている。(筆者・章玉貴上海外国語大学国際金融貿易学院長)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月19日

 


 


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