日本の岸田文雄首相は現地時間9日に政府専用機に乗り、主要7カ国(G7)の5カ国(フランス、イタリア、英国、カナダ、米国)を訪問するため羽田空港を出発した。岸田氏の今回の外遊は、今年5月に広島で開催されるG7サミットと関連する議題について、関連国の首脳と会談することが主な目的だ。日本メディアによると、ロシアとウクライナの衝突や中国の動向に対応するため、岸田氏の今回の訪問ではG7メンバー国、特に米国との安保関連の協力の強化が主な内容の一つになるという。
清華大学国際関係研究院の劉江永教授は9日、「環球時報」の取材で次のように述べた。
岸田氏の今回の5カ国歴訪は今年の外交の重要なステップだ。主な目的としてはまず、今年5月にG7サミットが岸田氏の故郷の広島県で開催されるが、岸田氏はサミットにより日本における政権運営の地位を固めると同時に、日本の国際的な影響力を高めようとしている。次に、今回の外遊は日本が新安保3文書を閣議決定した後であるが、この3文書の発表は日本の戦後の対中戦略の根本的な変化を意味している。日本は中国を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置づけ、G7メンバー国の中で最も過激だ。日本はこの中国に対する位置付けをめぐり国際的に支持を集めようとしている。西側7カ国は5月のG7サミットでさらに共通認識を形成する可能性がある。
米国は今回の岸田氏の外遊で最も重要な内容だ。日本が新安保文書を発表してから初の日米首脳間の戦略的連携で、日米は軍事や戦略など一連の重大な変化の中で連携を強化する。かつての米日同盟では日本が「盾」、米国が「矛」であり、日本は米国の作戦に協力することしかできなかった。この戦後続いた伝統的な日米軍事分業に現在、質的な変化が生じた。
中国との関係に関してはある意味、日本は米国よりも中国の平和的な発展、中国の完全な統一、中国の国際的な影響力の発揮を阻止しようとより切実に願っている。これは日本に地政学的な需要があり、中国との間に領土問題や歴史問題など一連の軋轢を残しているためだ。同時に日本は中米間の戦略的な食い違いをさらに拡大することで、日本の利益を手にする必要がある。日本は将来的に、東アジアにおける戦後の平和的発展のモデルを、進攻能力を持ち隣国を敵視する軍拡の道に転じる可能性がある。これはアジア太平洋にとって警鐘と言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月10日