日本の岸田文雄首相は9日より、主要7カ国(G7)の5カ国を訪問する。最初の訪問先はフランスで、これにイタリア、英国、カナダ、米国と続く。岸田氏はバイデン米大統領に「全体報告」を行い、かつ日米同盟の強化と今年のG7サミットについて協議する。
岸田氏が深夜の出発前に記者に明かした内容、及びパリ入りした後のさまざまな動き、かつ日本政府の最近の関連する言行を総合し、多くの西側メディアは岸田氏の今回の外遊の主要議題を、いわゆる「中国の脅威」への対応をめぐる連携と要約した。分かりやすく言えば、G7内で「反中」をめぐり結託することだ。これは今年の国際関係の悪いスタートを切った。
今年のG7議長国である日本が開催前に各国を歴訪し、主張を理解し意思疎通をし中心議題を確定するのは問題ない。しかし日本はその他のG7メンバー国との二国間会談において中国に強硬な態度を示し、「地域脅威論」を売りつけ、さらには「反中」をめぐり結託を試みることはまったく必要がなく、また非常に危険だ。これが日本による今年の外交の主な方針であるならば、大きな間違いだ。
日本は今年のG7議長国で、5月にG7サミットを開催する。日本はこれを、自国の大国としての地位と影響力を高める重要な機会と捉えている。岸田氏の今回の外遊は、G7サミットに向けた準備だ。しかし富裕国クラブであるG7で唯一のアジアのメンバー国である日本は、G7の中でアジアの利益の代理人としての役割を演じず、またアジアと欧米の互恵協力を強化する架け橋にもならず、地域の平和・安定に衝撃を及ぼす外部勢力をアジアに引き込もうとし、極めてネガティブな力を発揮している。現在のさまざまな動きからは、日本が開催するG7サミットが再び、アジア太平洋にネガティブなエネルギーを注ぐとほぼ断定できる。日本がこのようなやり方で国の地位と国際的なイメージを上げることは絶対に不可能だ。
注意すべきは、G7メンバー国のうち日本の反中の積極性が日増しに高まっており、もはや単純な米国の戦略的な手先ではないことだ。日本は中国を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置づけ、かつ米国の先に立ち積極的にG7及びその他の組織と中国への立場を調整している。「中国脅威論」の喧伝を隠れ蓑とする、日本の平和憲法の突破や大規模な軍事力の発展の動きがさらに懸念されている。これらの行為は、経済発展と安定・繁栄に取り組むアジア太平洋の大きな雰囲気とまったく合わず、国際社会の平和と調和への期待に背いている。
日本メディアは日本の今年の外交に大きな期待を寄せ、日本は今年外交に一層努力することで国際社会における地位を上げるべきとしている。しかし方向が間違っていれば、努力するほど目標から遠ざかる。日本が再び道を間違ったことは明らかだ。しかし日本の当局者にはそれが分からず、米国も見て見ぬ振りしている。日本はその他の国からの注意をまったく気に留めない。日本の戦略的認識はいわゆる「中国の脅威」という大きな酒甕の中に浸っており、戦略的な行為はますますアル中のようになっている。意識がもうろうとし、偏狭で過激になり、バランス感がない。これは日本が道を間違えるとアジアにもたらす恐るべき災難を想起させる。
早急に日本を戦略面で目覚めさせることは、今日の日本社会及びアジア太平洋が直面しており、方法を見つけ解消しなければならない深刻な問題だ。現在の日本の政治環境、世論の傾向及び社会の思想には不安な兆しが見える。この兆しを早急にもみ消さなければ、大きな火事を引き起こす可能性が高い。そうなれば米国も他人事ではいられない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月11日