中国の秦剛外交部長は2日、日本の林芳正外相と電話協議した際に、中日関係の発展について3つの希望を示した。「朝日新聞」や共同通信社などの日本主流メディアが直ちに本件を報じ、「秦氏の外交部長就任後で初の日中外相電話協議」の特殊な意義について言及した。今年は中日平和友好条約締結45周年だ。中国側がこれを背景にし掲げた3つの希望は、中日関係が現在直面している苦境と挑戦に解決の道筋を示した。日本側はこれを熟考するべきだ。海外網が伝えた。
対中認識レベルについて、中国側は日本側に「客観と理性を守る」という希望を示した。日本の中国への態度は最近ますます消極的になっている。中国を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」を明記し、二国間もしくは多国間のさまざまな場を利用しいわゆる「台湾有事」を喧伝し、さらには「中国の脅威」に対応するという旗印で軍拡に取り組んでいる。中国の日本に対する政策は一貫し、明確で、中日の平和友好と協力・ウィンウィンを終始主張している。しかし残念ながら、中日の総合的な国力の差が広がり続けるなか、日本の一部は心理的バランスを失い非常に歪んだ中国観を持ち、台頭する中国を「仮想敵」と見なす間違いを犯している。秦氏は今回の電話協議で、「日本側が客観的で理性的な対中認識を守ることを願う」と明言した。これは現在の中日関係が苦境と挑戦に直面している根本的な原因を指摘している。日本側が客観的で理性的な中国観を堅持することで、初めて中日関係を正しい軌道に沿い安定的かつ前向きに発展させることができる。
実務的協力レベルについて、中国側は日本側に「市場の原則と自由・開放の精神を守る」という希望を示した。中日の発展が相互依存・互恵であることは、中日国交正常化から50年の歴史によって十分に証明されている。ところが現在の日本は対中経済・貿易・科学技術協力で消極的な動きを見せている。日本企業に中国撤退を呼びかけるだけでなく、米国と共に中国に対する半導体や5Gなどの科学技術包囲を行っている。中日の経済・貿易・科学技術協力は本質的に互恵であり、これは市場ルールと各自の需要の相互作用の結果だ。世界3位の経済体である日本が対中経済・貿易・科学技術包囲に夢中になれば、それは自国の発展に資さず、かつ世界のサプライチェーンや産業チェーンの安定に影響を及ぼす。中国側が「日本側が国際貿易ルール及び自国の長期的な利益を守ることを着眼点とし、市場の原則と自由・開放の精神を保ち対中経済・貿易・科学技術協力を展開することを願う」としたのは、日本への注意喚起であり、中日経済・貿易・科学技術協力の調整の方向でもある。
地域・国際レベルについて、中国側は日本側に「公開、透明、科学、安全なやり方」により核汚染水をしっかり処理するという希望を示した。核汚染水の海洋放出は日本の内政のように見えるが、海流の作用によりこれが最終的に太平洋全体及び世界の海洋に蔓延するため、日本だけの問題でないことは明らかだ。日本の国際的なイメージはすでに一部の日本の政治家による、侵略の歴史を否定し美化する問題によって損なわれている。日本があくまでも核汚染水を海洋に放出するならば、人類の歴史に再び消せない汚点を残すことになる。
日本メディアは今回の中日外相による電話協議について、「建設的で安定的な日中関係の構築」の積極的なシグナルを強調した。日本の松野博一内閣官房長官も3日の定例会見で、「今後の各種コミュニケーションの幸先の良いスタートを切った」と評価した。これは中日関係を損ねたくないという日本の声をある程度反映している。このような声が日本でますます大きくなることを願う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月6日