ロシアとウクライナの衝突がエスカレートするなか、ウクライナ危機の最大の黒幕であるNATOと米国は次々とアジアに高官を派遣している。NATOのストルテンベルグ事務総長は30日、韓国を離れ日本を訪問した。オースティン米国防長官が同日午後に韓国に到着し、アジア歴訪を開始した。ストルテンベルグ氏は同日午前に韓国で演説した際に、韓国などのインド太平洋同盟国に対して、ウクライナへの軍事支援を強化することで「専制と暴政の勝利」を回避するよう求めた。同時に中国に矛先を向け、中国は西側の「価値観・利益・安全の挑戦」であると述べた。
外交学院国際関係研究所の李海東教授は「環球時報」に、次のように述べた。
ストルテンベルグ氏は30日の韓国での演説で、「中国はNATOの敵ではない」と述べながら、「中国の挑戦」と「中国の脅威」を大げさに語った。ストルテンベルグ氏の発言には不和の種をまく意味合いが込められている。経済問題、安全、価値観の問題をすべて同盟の対抗という考えと構造に持ち込もうとしているが、これは陣営の対抗と「中国脅威論」を利用しアジア太平洋諸国に働きかけ、アジア太平洋全体を欧州の陣営化及び軍事化の対立構造に変化させようとしている。世界範囲で陣営の対立をこしらえ、イデオロギーの対抗を引き起こす。これは典型的な冷戦モデルのコピーだ。ストルテンベルグ氏の今回のアジア歴訪は事実上、アジア太平洋で混乱を引き起こそうとする破壊の旅だ。
ブリンケン米国務長官の訪中を前にし、米国とNATOの高官が集中的にアジアを訪問しているが、これは米国がより力強いやり方で「インド太平洋戦略」の中核的な内容を推し進めようとしていることと関係している。ブリンケン氏の訪中は主に、中米首脳が昨年のバリ島での会談で形成した衝突回避の重要な共通認識を実行に移すことが目的だ。ところが米国側は頻繁に各種手段を用い中国に矛先を向けており、米国の一部の軍事高官と政治家はさらに「米中の戦争は不可避」との情報を発信している。これは米国の対中政策の両面性と嘘を十分に示している。米国側はアジア太平洋で危機、さらには衝突を喧伝し引き起こすというやり方により、中国を非主流化させる戦略計画を推進しようと試みている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月31日