福島大学の柴崎直明教授は、福島原発の廃炉に関する安全監視協議会専門委員で、福島第一原発周辺の地質及び地下水の観測を担当している。柴崎氏は中央広播電視総台のインタビューで、福島核汚染水に含まれる放射性物質は濃度が極めて高く、海洋放出の基準を満たしていないと述べた。柴崎氏の発言の要旨は下記の通り。
処理水にも基準を上回る放射性物質が含まれる。一部はわずかに上回るだけだが、基準を100倍超上回る高濃度放射性物質も含まれる可能性がある。私が注目している問題は、毎日絶えず生じる核汚染水に含まれるトリチウムの濃度が去年から上がり始めていることで、これを懸念している。以前は1リットルあたり20万ベクレルだったが、昨夏には50万ベクレルを上回り、現在も高い数値を保っている。
最近のデータを見ると、依然として1リットルあたり50万ベクレルであり、高い濃度だ。このようなことが続けば、本当に海洋に放出するとしても、これらの水の処理は長期化する。
地下水の福島第一原発への流入は、核汚染水が増加を続ける重要な理由だ。これについて専門家チームは東京電力に対して、「地下遮水壁」もしくは「井戸」を設置することで流入を阻止するよう提案したが、重視されなかった。海洋放出を無理に進めるのではなく、技術的な手段により核汚染水の総量の増加を抑制するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月18日