日本は「消齢化社会」になりつつある

中国網日本語版  |  2023-04-28

日本は「消齢化社会」になりつつある。

タグ:年齢 価値観 高齢者 

発信時間:2023-04-28 14:31:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=王軍 在日ジャーナリスト

 映画『スラムダンク』は日本で興行収入100億円を超える人気ぶりで、観客の年齢層も予想以上に幅広い。制作会社が想定していた観客の年齢層は30~40歳だったが、実際は10代~50代となっている。同様に、昨年日本で人気を博した『シン・ウルトラマン』と『トップガン マーヴェリック』も各年齢層が鑑賞した。日本は「消齢化」時代になりつつあるとわかる。

 「消齢化」とは、各年齢層の価値観や消費傾向などの差が小さくなる現象を指し、「消齢化」現象となっていく社会は「消齢化社会」といえる。以前はマーケティング戦略を立てる際、日本の関連企業は年齢に合わせてターゲットを設定し、ある年齢層の価値観と嗜好をもとにプランを作成していた。しかし、個性を強調し多様性を尊重する現在、年齢によって生じる消費の差は小さくなり、日本の関連企業は年齢ごとにターゲットを設定することが難しくなっている。

 「消齢化社会」が形成されたのは、主に人口構造が変化したためである。日本の総務省が発表した2022年10月1日時点の人口統計によると、15~64歳の労働力人口は約6割と過去最低となり、65歳は約3割で過去最高となった。日本の人口の平均年齢は2020年は47.6歳だった。50歳前後の人口比率は上昇し続け、若者と高齢者の考え方は50歳前後の世代に近づいている。そのほか、20~60歳の世代は「失われた30年」を経験しており、彼らの行動と考え方が一致するのは自然なことである。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は4月26日、50年後の将来推計人口を発表し、2070年までに、日本の人口の平均年齢は54.0歳になると予想した。これは、少子高齢化の深刻化に伴い、日本の「消齢化社会」傾向が際立つことを意味する。

 「消齢化」傾向が続けば、どのように年齢を定義するかが重要な問題となる。実年齢は数字に過ぎず、それほど重要ではなくなり、代わりに身体や心理の状態で実年齢を判断・計算することになる可能性がある。人々は実年齢に合わせて生活目標を設定し、企業はそれに基づいて販売戦略を立て、ビジネスでは従来のようにターゲットを細かく分けず、「大きな共通性」に着目することができる。「消齢化」が進むにつれ、中間の年齢層である中年の人たちは両方の意見に同調し、社会の「大多数」になる。社会は細かく世代を分けず、大きな集合になる。また、対立型から対話型に変わり、互いを理解し、違いを尊重しながら共同点を探りやすくなる。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月29日

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