主要7カ国(G7)サミットが19−21日に広島で開催された。20日に発表されたG7首脳声明は、「すべての人にとって無害で安全な手段による核のない世界の実現」を促進するとした。
原爆投下を受けた日本にとって、核問題は敏感な話題だ。日本は「核のない世界」を主張しているが、これは国内の民意に向けてのものだった。ところが日本の政界では「核保有」に関する動きが止んだことがない。日本の国家安全保障戦略の持続的な強化に伴い、日本は「核共有」により米国から提供される核の傘を強化しようとしている。
米国の放任と黙認
「核共有」は米国がNATOの同盟国に提供する核の傘の強化部分であり、平和な時期であっても同盟国に配備されている核兵器は米国が支配する。戦時中は同盟国の軍機に搭載し使用される。これは非核保有国による核保有とほぼ同等だ。
日本は「核兵器不拡散条約」(NPI)の重要な参加国で、規定によると核保有国の自国への核兵器配備を受け入れられず、核兵器自主開発も許されない。そこで米国側は日本に核抑止を含む拡大抑止を適切に提供する必要があるとしている。
「拡大抑止」は米国の核戦略の一つで、米国の核抑止力は本土の保護のみに用いられるのではなく、同盟国が核攻撃の脅威にさらされた場合に同盟国を保護することを指す。しかしこの政策は徹底的な安全保障を実現しがたく、むしろ軍備競争を激化させ、地域の安定を破壊し、より深刻なリスクを生む。
「核共有」は絶対に平和の道ではない
日本メディアの報道によると、第10回「核兵器不拡散条約」運用検討会議において、日本は米国と「核共有」を行うと騒ぎ立て、しかも本会議に提出した報告書の中でそれまで常に取り上げていた「非核三原則」を削除した。
今回のG7広島サミットで開かれた米日韓首脳会談の焦点は安全保障をめぐる協力で、「核共有」関連の敏感な問題も議事日程に含まれた。
米国が朝鮮の核問題を利用し日韓両国を縛り付け、両国と核兵器について議論する真の目的は、中国に対抗する力を強化するためと分析・指摘されている。そのため米国は謀りごとをめぐらし日韓を抱き込もうとしており、今やさらに「核兵器のカード」を切り両国を誘惑している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月23日