国際原子力機関(IAEA)の6月の定例理事会が、5−8日にかけてウィーン国際センターで開催された。開幕日は「世界環境デー」、閉幕日は「世界海洋デー」だった。世界はこの週、海洋環境の安全問題に注目した。ところが日本は国際社会の強い反対を顧みず、福島核汚染水海洋放出前の各種準備作業を着々と進めた。中国代表団は会期中に何度も、福島核汚染水の処置問題について厳重に懸念を表明し、日本側の海洋放出を猛批判した。この問題は本理事会の重要議題の一つになった。
中国国家原子力機構主任でIAEA理事会中国理事の張克倹氏は会議の冒頭で、「福島核汚染水の処置は世界の海洋環境及び人々の健康に関わる重大問題で、日本側の個人的な問題ではない。日本側は国民及び世界各国の正当で合理的な懸念を無視し、現在も各国の懸念に対して科学的で信頼できる説明を行っておらず、また隣国を含む利害関係者と十分に協議せず、核汚染水海洋放出計画を独断専行で加速している。これは極めて利己的で無責任な行為だ」と指摘した。
中国の李松ウィーン国連及び各国際機関常駐代表はさらに、「福島核汚染水の処置について、日本の経済産業省は地層注入、海洋放出、地下埋設、水蒸気放出、水素放出の5つのプランを掲げ、隣国の専門家も関連するプランを掲げた。日本は処理済みの核汚染水が無害だと言うならば、なぜその他の処置プランを講じず海洋放出にこだわるのだろうか。日本の専門家委員会は、これが最もローコストであり、日本にとっての汚染リスクが最小という明確な答えを示した。日本側は海洋放出以外の処置プランを十分に論証せず、自国の利益を立脚点として核汚染水を海洋に放出して終わりにしようと一方的に決定した。これは福島原発事故の汚染リスクを隣国及び周辺環境に移し、全世界及び全人類の二次被害を生む」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月12日