そこで今年のNATO首脳会議のウクライナ危機への対応が注目される中、日本が舞台の裏側でNATOを東に招き入れる危険性も無視できない。NATOの「欧州の安全とアジア太平洋の安全は切り離せない」という説、日本が騒ぎ立てる「今日のウクライナは明日の東アジア」といった馬鹿げた論調は、いずれも米国と西側がアジア太平洋で陣営の対抗による「新冷戦」を促すための口実に過ぎない。その根本的な目的は、米国だけの覇権を守ることだ。
NATOがアジア太平洋の安全事業に介入し、日本が域外勢力を招き入れ地域の食い違いと対抗を煽り、すでにアジア太平洋諸国の団結と協力の雰囲気を著しく悪化させている。これを放任すれば、地域はさらに分断、ひいては衝突に向かうだろう。中長期的に見ると、これはNATOと日本をより安全にはせず、「戦略的重荷」を背負わせるばかりだ。フランスの戦略的な冷静さがNATO諸国に警鐘を鳴らすことを願う。平和的な発展の道に背く日本は、動乱と分裂に向かうアジア太平洋が日本を強くすることはなく、むしろ自身の安全と発展の苦境を深めるばかりであることをより認識する必要がある。(筆者・項昊宇中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月11日