日本政府の複数の消息筋は19日、双方の専門家及び実務者が参加する「協議の場」を設置し、福島核汚染水放出問題について議論するよう提案したが、中国側からは今のところ反応がないとメディア向けに発表した。このような情報はこれまでもあったが、その多くは日本が中国との意思疎通に向け取り組み続けているが、中国側が相手をしようとしないという嘘の印象を国際世論で形成し、責任と国際社会の注意を極力中国に向けようと試みるものだった。
これは日本の常套手段だ。ところで日本側は現在、中国側と協議の場を設けることを提案しているが、何について協議するのだろうか。核汚染水の処理方法に関する相談と調整か、それとも日本側の海洋放出案を中国に無条件で受け入れさせようとするのか。前者であればもちろん歓迎するが、後者であれば別問題だ。
中国側は協議を拒まないが、これを体裁の良い旗印とすることを拒否する。真の意義ある協議は、日本が一方的に海洋放出を決定する前に行われるべきだった。ところが当時の日本は周辺の隣国を含むどの利害関係者とも十分に協議せず、さらには人々の懸念と反対を顧みず海洋放出案を直接掲げた。しかも真の意義ある協議にはさまざまな選択肢があるべきで、協議の結果によりそのいずれかを選ぶべきだ。しかし現在の日本にそれはあるだろうか。日本は海洋放出案を唯一の選択肢として各国に押し付けているが、これは協議だろうか。当然ながらノーだ。中国が日本の芝居に協力するはずがない。
海洋放出案は日本人を含む各国の人々から猛反発を受けているが、日本の広報及び米国の地政学的な私心に基づく放任により、米国の一部の同盟国の政府及び関連国際機関は事実上、大目に見る態度を取っている。これにより同問題をめぐり終始一貫した立場を示している中国が目立っている。中国の態度は一貫しており、揺るぎなく明確だ。つまり日本に対して、科学、歴史、世界の海洋環境、全人類の健康、次の世代への責任ある態度に基づき、海洋放出という間違った決定を撤回し、科学的で安全で透明なやり方により核汚染水を処理し、厳しい国際監督を受けるよう求めている。
日本も「科学」を取り上げており、国際原子力機関(IAEA)が慌ただしく発表した報告書を「免罪符」にしているが、世界への説明は自国民さえ納得させられていない。共同通信のアンケート調査によると、核汚染水海洋放出に関する政府の説明は「不十分」は80.3%にのぼり、海洋放出によりイメージが「悪化」するは87.4%にのぼった。
本物の科学は常に検証と疑問に耐えられる。日本の核汚染水浄化装置の有効性と長期的な信頼性については第3者の認証を受けておらず、各種データの真の正確性が証明されていない。また核汚染水の海洋の生態、食品安全、人類の健康への長期的な影響についてもしっかり論証されていない。別のことはさておき、人々の生活上の常識に基づく日本の海洋放出案に対する質問について、日本は言を左右にし、答えを示していない。これは単純なことで、核汚染水が日本側が称するように安全で、さらには飲めるというならば、水資源が豊富でない日本はなぜ生活用水もしくは農業・工業用水にせず、強い圧力を受けながらも太平洋に放出するのだろうか。これは非常な浪費ではないか。
日本は中国の立場が揺るぎないことを知っており、また公共の利益で政治の取引を行うこともない。また米国や西側の大国に働きかければ通用する、中国にはどうすることもできないと考え、中国の意見を十分に重視していない。しかし最近になり見かけは積極的になり、中国と「協議」する意向を示している。その直接的な理由は、中国側が7月に入り日本からの輸入品の放射性物質の検査と観測と強化し、日本の一部の海産品が中国の税関で差し止めされていることだ。日本はこれでようやく慌て始めた。
日本側に協議の誠意が本当にあれば、まず海洋放出計画の停止を発表するべきだ。それから隣国や太平洋諸島などの利害関係者が核汚染水の単独のサンプリング調査を行うことを認め、海洋放出以外の可能な案について検討することに同意するべきだ。それまでに中国側は事の成り行きを見守り、必要なすべての措置を適時講じる。中国人消費者の食卓の安全を保証し、太平洋地域の共同の利益をしっかり守る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月21日