大久野島は広島市から数十キロしか離れておらず、交通の便が良い。しかし日本政府と民間の双方への態度は対照的だ。かつて原爆を投下された広島市は戦争の被害者としてのイメージを念入りに作られ、原爆ドームは世界文化遺産としてしっかり保護されている。目と鼻の先の「毒ガス島」の遺跡に関心を持つ人はほとんどいない。山内さんは「いつの日か日本の悪い政治家がここの遺跡を取り壊すかもしれない」と懸念する。

　広島県竹原市の大久野島で8月15日、日本の反戦関係者で「毒ガス島歴史研究所」事務局長の山内正之さんが、中国侵略日本軍が中国の戦場で毒ガス弾を使用した写真を示した。新華社記者・馮武勇撮影

　山内さんはまた、日本政府は戦後の原爆被害者に補償する法律を制定したが、大久野島の毒ガス製造による後遺症に悩まされる人が補償を受けていないのは、日本政府が「毒ガス島」の暗い歴史を公にしたがらないためだと指摘した。

　同行し島に上陸した友好関係者、福山市立大学理事長の佐藤利行氏は、「日本人は原爆の被害の歴史だけを知るのではなく、毒ガス島のような加害の歴史も決して忘れてはならない」と述べた。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年8月17日