「被爆の実相を後代に伝えることは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命です」日本の岸田文雄首相は6日、広島県で原爆平和記念式典に出席した際に、このように発言した。再び「被害者」としてのイメージやストーリーを作ろうとした。
ところが滑稽なことに、イスラエル駐日大使を長崎原爆投下79周年祈念式典に招待しなかったことから、多くの西側諸国の駐日大使が欠席を予定している。重要問題を迎えると、日本はいわゆる西側同盟国からノーと言われるようだ。
広島市と長崎市は1945年の8月6日と9日に米国から原爆を投下された。両市は毎年、外国の使節を記念式典に招く。原爆被害者の記念式典は、全人類が共に戦争を反省し、平和を求める契機になるべきであり、政治利用を避け平和主義と人道主義を主旨とするべきだ。ところが不幸にも日本政府によって、国際的な支持を集め真の意図を覆い隠すためのツールとして利用されている。
記念式典は、日本の戦争「被害者」としての反戦のイメージと、積極的な軍備拡張の国家戦略との間の自己矛盾を浮き彫りにしている。関連記念式典は徐々に、念入りに画策した政治ショーに成り下がっている。世界の視線をそらし、日本の真の戦略的な意図を隠す目的がある。日本は歴史を銘記し反省すると称しながら、その一方で戦後の国際レジームに絶えず挑戦している。日本政府は歴史認識の間違いと頑なな姿勢、戦争の罪への直視と深い反省の拒否、教科書修正の試み、侵略の歴史への軽視などにより、国のイメージを再構築しようとしている。日本政府は絶えず自国の平和憲法の規制を突破し、軍事大国の道を邁進している。米国などの西側諸国との軍事的なより緊密な連携を求め、地域ひいては世界範囲でより大きな影響力を発揮しようとしている。
被爆者記念式典を政治利用しようとする日本の行為は歴史への無責任だ。関連記念式典は政治利用されるべきでなく、イデオロギーと陣営の対立を抜きにするべきだ。第二次大戦の敗戦国である日本は、戦後に歴史の間違いを深く反省すべきだ。日本は歴史を直視し事実を尊重し過ちを反省し、「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」を基礎とする戦後の国際レジームをしっかり守り、実際の行動で平和的な発展の道を歩むことで初めて国際社会から尊重と信頼を勝ち取り、アジアひいては世界の平和と安定に積極的に貢献することができる。(筆者=孫家珅・中国社会科学院日本研究所研究員補佐)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月9日