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「政冷経涼」の解消、中日韓の連携が必要に

中国網日本語版  |  2024-08-09

「政冷経涼」の解消、中日韓の連携が必要に。

タグ:中日韓 経済協力 政治関係

発信時間:2024-08-09 14:33:05 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「政冷経熱」は21世紀に入ると頻繁に、中日韓の3カ国関係を形容する言い回しになっている。この言い回しが存在し続けていることについては、次の2点から理解できる。まず、中日韓の歴史をめぐる束縛を解消できず、国力のバランスの変化と大国の駆け引きを受け地政学的な食い違いが顕在化し、「政冷」が頻繁に生じている。次に、経済構造の相互補完の利益がある。政治関係が悪くても、中日韓は資源・技術・市場などの相互補完により経済協力を促すことができる。特にグローバル化を背景とし、中日韓は世界の産業チェーン・サプライチェーンのハブとしての地位により相互の利益の融合を深め、政治関係からある程度独立した市場化協力を形成した。企業などの非政府機関がその中で重要な役割を演じている。そのため過去長期に渡り、中日韓は感情ではなく理性的に相互関係を処理できることが多かった。大規模な民間交流も、政治的な緊張の経済関係への影響をある程度相殺していた。

「政冷経涼」は国際関係における必然的な現象に近い。政治的な良好な雰囲気がなければ、経済協力が原動力を失いやすいからだ。中日韓の近年の「政冷経涼」は、大国の競争の激化と、西の代わりに東が興隆する時代的背景により生じた、内外の相乗作用の結果だ。まずは外部環境の変化によるものだ。保護貿易主義と脱グローバル化が台頭し、米国は中国との大国の競争に日韓を抱き込み、「脱リスク」を口実としデカップリングとチェーン寸断を進め、中日韓の経済・貿易協力の外部からの障害物を増やした。その一方で、中日韓の協力の内部の原動力も弱まっている。中国の産業高度化と技術の進歩により、中日韓の経済・貿易協力は「垂直分業」から「水平競争」に変化した。日韓は中国に対する産業技術の強みを維持しようとする計算からか、もしくは中国と米国の対抗によるリスクに備える考慮からか、中国との経済・貿易協力に戸惑いを見せている。

ある程度の経済デカップリングが現実になれば、北東アジアの国際関係のロジックに根本的な変化が生じる。「以経促政」が中日韓の歴史や領土などの問題をめぐる対立を根本的に解消したことはなかったが、経済・貿易協力は少なくとも「緩衝材」さらには「バラスト」としての効果を発揮し、相互関係及び地域情勢の全体的な安定を守った。米国が日韓を熱心に抱き込もうとし、中国に躍起になって圧力をかける状況下、中日・中韓関係は基本的なコントロールを維持した。ところが米日韓の協力内容が軍事安全から経済安全に広がり、安全の論理が経済的な利益を圧倒するようになると、「政冷経涼」は自己実現の負のスパイラルになり、北東アジアの安全・安定の根幹を揺るがす可能性がある。

中日韓の政治的雰囲気を改善すると同時に経済・貿易協力を維持・強化し、政治・経済関係の相互促進を形成することは、地域の長期安定にとって極めて重要だ。これは3カ国が共に向き合い歩み寄り、共に努力する必要がある。

まず、ハイレベル対話を持続的に協力し、政治的な食い違いをコントロールする。次に、経済・貿易協力の制度化保障を改善する。3カ国は地域サプライチェーンの協力を強化し、デジタル経済、低炭素・環境保護、公衆衛生、高齢化対応などの分野の協力を強化し、協力の潜在力を深く掘り起こし、共同の利益による結びつきを強化する。それから、人文交流を拡大し、国民感情を改善する。最後に、困難に立ち向かい、多国間の安全対話枠組みを構築する。(筆者=項昊宇・中国国際問題研究院アジア太平洋研究所特別研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月9日

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