日本の防衛省はこのほど、2025年度防衛予算の概算要求を発表した。「自衛隊の組織編成」の中で、海上自衛隊は過去60年余りで最大規模の組織編成の調整を行うとし、注目を浴びた。
最も注目されている調整内容は、従来の「護衛艦隊」や「護衛隊群」などの「護衛」という部隊名の廃止だ。この措置は名義上、既存の主力艦艇をより効果的に統合するものだが、日本が防衛予算を近年持続的に増やし、平和憲法の突破を続ける背景があることから、その意図が周辺諸国から警戒されている。
防衛省当局者の話によると、3つの「水上戦群」の設立には、「3方面の戦線にフレキシブルに対応」という作戦の需要がある。海上自衛隊の主力部隊の地域「専守防衛」の属性がさらに弱まっていると言える。
海上自衛隊のこの重大な調整の動きは、歴史に眠っていた「連合艦隊」という名称を想起させる。連合艦隊は20世紀前半に日本帝国海軍が中・遠洋で侵略作戦を実施した際の戦略戦役軍団であり、日本の東アジア諸国侵略の急先鋒でもあった。現在の日本が攻撃的な海の勢力を構築し、平時において周辺の隣国などの海域でのプレゼンスを強化し、地域安全事業への干渉を強め、戦時において3方面から潜在的な敵国に向け開戦し、さらには先制の奇襲と上陸作戦を発動し、再び他国の領土を侵略しようとしていることは明らかだ。このような水上艦隊と日本帝国海軍の連合艦隊に差はあるのだろうか。
第二次大戦のアジア戦争の策源地及び敗戦国である日本は戦後、平和憲法と専守防衛を掲げ、陸海空の三軍を持たず軍事力を自衛のみに用いるとし、「自衛隊」と称した。しかし日本国内では軍国主義の思想が徹底的に清算されていない。日本政府は近年あれこれ策謀し、さまざまな策を弄し平和憲法と専守防衛の束縛を打破している。攻撃的な軍事力の発展に取り組み、米国の先進的な戦闘機と巡航ミサイルを導入している。さらに米国の地政学的な戦略に積極的に協力し、アジア太平洋及び世界でのプレゼンスを強化し、さまざまな口実を設け海外に次々と派兵している。
日本は些細に見える変化を蓄積し続け、密かに行動を起こし、徐々に平和憲法の束縛から脱却しようとしている。世界の政治・軍事大国としての地位を求め、「正常な国」を実現し、国際安全事業への影響力を強化しようとしている。これはまた日本の右翼勢力による長期的な常套手段でもある。過去の歴史に基づき、アジアの隣国と国際社会は当然ながら、日本の軍事・安全動向に警戒を維持すべきと筆者は考える。(筆者=張軍社・海軍軍事専門家)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年9月9日