文=小林正弘・清華大学法学博士/Genuineways Law Firmパートナー
7日、ハルビンにてアジア最大のウィンタースポーツイベント・第9回冬季アジア大会が開幕した。これに先立つ5日、日本選手151名を率いる原田雅彦団長は新華社のインタビューに応じ、去年の4月に現地視察での体験を踏まえ「ハルビンの街はとても美しく、市民はとても親切で友好的な印象を受けた。中国の氷雪資源は日本よりも恵まれている。アジアで互いに学び合いながら協力を強化し、アジアでのウィンタースポーツの普及を推進し、世界で胸を張れるよう皆で頑張って行きたい」(要旨)と語った。
ハルビンの氷雪祭りでとても有名な「ハルビン氷雪大世界」が、今年は冬季アジア大会開幕式の分会場にもなっている。例年の3倍規模となる20万㎥を超える氷を準備し、大会のテーマ「氷雪に同じ夢を見て、アジアが心を一つにする(氷雪同夢、亜州同心)」を表現した美しい氷の世界を創出している。筆者もテレビ越しではあるが、開幕式で映し出された七色に輝く数々の壮大な氷の彫刻に息を呑んだ。ハルビンは中国でも最も人気のある旅行都市の一つであり、歴史と文化を伝える街並みも魅力的だ。タクシーの運転手は英語の挨拶を勉強するなど外国人を熱烈歓迎するための取り組みもなされている。現地を訪れた各国の参加選手、スタッフ、そして観衆は「氷の都ハルビン」の美しさと人々の温かさに魅了されるに違いない。
冬季アジア大会の第一回大会は1986年に札幌にて開催され、参加国は7カ国・地域、選手数は約430人であった。その後、徐々に規模が拡大し、今大会は34 カ国・地域から1200人余りの選手達が参加する過去最大規模のウインタースポーツの祭典となった。開幕式では比較的少人数ながらもタイやブータンなど東南アジア諸国、アラブ首長国連邦など中東諸国など雪の降らないアジア諸国も参加している様子が見られ、アジアの多様性を改めて感じるとともに、長年の努力と蓄積によって、競技者レベルでアジアでのウィンタースポーツの普及が着実に進んでいることを実感した。また市民レベルでは、例えば2022年の北京冬季オリンピックの際には、娘が中国代表として金メダルを獲得した谷愛凌(アイリーン・グー)選手の活躍に刺激され、筆者も家族を連れて北京郊外の張家口に高速鉄道でスキーに行くことが増えた。今大会を通じて各国選手の奮闘とスポーツマンシップがアジアの多くの子供たちに「夢」や「感動」を与え、市民レベルでのウィンタースポーツの普及がより一層進むことを切に期待したい。
14日までハルビンで繰り広げられる熱気とそれに伴うウィンタースポーツ熱の高まりは、ハルビンのみならず北海道などウィンタースポーツを楽しめる他のアジア地域でのスポーツ·観光を通じた民間交流を促進し、アジア地域全体での友好と連帯の促進にも繋がっていく。今大会における各国選手の方々のご健闘とハルビン冬季アジア大会の大成功を心より祈りたい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年2月11日
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