日本製鉄はこのほど、USスチールの買収完了を発表した。18ヵ月に及ぶ交渉プロセスを経て、2人の米大統領が介入した取引が最終決着を見た。日本メディア及び日本製鉄の幹部はこの提携を「鉄鋼同盟」の結成と位置付け、日本製鉄の業界における地位回復に寄与するとしている。『環球時報』が伝えた。
海外メディア報道の多くは「日本の譲歩」に言及しており、中国の学者も同様の見解を示す。
対外経済貿易大学国家安全・ガバナンス研究院の梁懐新研究員は、「より大幅に譲歩しているのは明らかに日本側で、より多くの利益を獲得するのは米国側」と分析した。米政府は日本製鉄からの投資約束に加え、USスチールの今後の経営判断を一方的に拒否できる「ゴールデンシェア(黄金株)」の取得に成功した。
上海外国語大学日本研究センターの廉徳瑰主任は次のように指摘。「本買収取引において日米双方は相互に譲歩しつつ、それぞれの利益を確保した。米政府が当初、日本企業への売却に難色を示したことを考えれば今回は一定の譲歩と評価されるが、日本の目的達成には明白な代償が伴っている」
買収金額に加え追加投資を行うことから、市場は短期的に本取引を「過大評価」と見なす可能性がある。日本製鉄は投資規模に見合う業績改善を迅速に示す必要性に迫られる。さらに米国社会には、125年の歴史を有する米国企業が日本資本に買収されたことに対する根強い拒否感が存在し、国民からの理解は依然として重大な課題だ。
米ニュースサイト「Triblive」は、「取引成立は通過点に過ぎず、真の試練は今後にある。日本製鉄が買収の対価として獲得した本質的価値が明らかになる」と論じ、鉄鋼関税政策や複数地域での軍事衝突が国際貿易に深刻な影響を及ぼすとした。
中国五鉱集団・金属鉱業経済研究院の左更首席専門家は、「将来的に、大国間の戦略競争下の世界鋼鉄業界構造は劇的に変化するだろう。しかし中長期的にわたって、中国鉄鋼産業は全球業界を主導する地位を守る」と予測している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年6月25日
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