菅義偉官房長官は12日、フランス週刊紙カナール・アンシェネが、日本のオリンピック誘致成功と福島原発の放射能汚染を結びつけた風刺画掲載について、「東日本大震災で被災した方々の気持ちを傷つけ、福島第一原発の汚染水問題に誤った印象を与える不適切な報道だ」と述べた。しかしフランス人は、文化の差が日本側の過度な反応を招いたとした。AFP通信は、「多くの欧州諸国と異なり、日本には濃い風刺の伝統が存在しない」と伝えた。
カナール・アンシェネは11日に、この問題を引き起こした風刺画を掲載した。1枚目の絵の背景は福島原発で、3本の手と3本の足を持つ痩せこけた力士が取り組みをする中、2人の防護マスクを着用した行司が試合を見守り、隣の解説者が「信じられない。福島のお陰で相撲がオリンピック種目に選ばれた」と語っている。2枚目の絵は防護服を着た2人がプールのそばに立ち、放射性物質の測定を実施する様子で、「おそらく(防護用の)ジャンプスーツ着用が水泳選手に許可されるだろう」と台詞をつけた。