楽しくないのは儒教の「競争観」によるもの
「日本経済新聞」は、日本人は「金の錠をかけられた仕事の奴隷」であり、大量の残業、権利と共に高まる責任とストレス、大企業の厳しいランク制度、人情味に欠けた職場は日本人が一生忙しい主な原因だと論じた。社会学者の半田仲一氏は、「歴史的な原因、特に奉仕の概念が人の心に深く浸透していることにより、日本人は仕事に情熱を持っているが、現代は競争が激しいことから、仕事好きの伝統的な美徳は形を変えた。現在の若者は仕事から達成感を得ようと思っておらず、生活と面目を維持するための手段としか見ていない」と話す。
北京大学中国語科の張頤武教授は「環球時報」に対し、次のように語った。儒教文明は、人は向上し、実績を上げなければならず、物事を確実に行い、困難と知っていてもやる必要があると強調している。そのため、疲れる。東アジアの人たちが疲れるのは儒教の伝統文化による影響が非常に大きい。儒教は責任感を重視し、家庭、社会、会社、修養、国を治めること、平和な天下に対する責任を強調している。これにより各種のストレスが生じた。
台湾の専門家は「環球時報」に対し、次のように話した。台湾は経済の急成長と社会形態のモデル転換を経験し、多くの人が3世代の富を獲得したが、台湾人は今も疲れを感じている。その原因の一つは、幼い頃から多くの責任とモラルを背負い、勤勉、奮闘、成功しなければならないことである。これらの儒教思想は前進するエネルギーを与えたと同時に、生活のゆとりをなくした。中国の有名エコノミストの黄有光氏は「東アジアの快楽のギャップ」という文章の中で東アジアの幸福度指数が低い原因を分析した。黄氏は、過剰な競争は人だけでなく、社会全体においても楽しみの追求に影響すると見ている。東アジアは競争を強調しすぎており、このような状態が何世代も続いていることから「客観的に存在するもの」と見られている可能性がある。
伝統的な文化の影響のほか、黄氏は、中国人の疲れは発展段階とも関係があると見ている。「中国はここ数年、急速に台頭し、以前はみんな貧しく差が小さく、大きな圧力はなかったが、今は差が拡大し、不均衡な心理と対抗意識が高まった。中国人が近いうちに完全にこの『疲れ』から解放されるのは難しい。親も子供もいる中年の人たちは精神を落ち着かせるべきであり、自分の能力と比べてはいけない。また、多くの若者は努力すべきである。若者が言う『疲れた』は大げさである。実は現在の中国の若者が受ける圧力は以前ほど大きくない。多くの人が疲れを感じるのははやく金持ちになり、出世したいと考えるためだ」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月15日