日本の科学者が関わっている研究によると、熱帯太平洋東部海域の海面の水温低下が、地球温暖化の歩みを一定程度遅らせていることを突き止めた。これがなければ、地球の平均気温は現在より0.3度高くなっていたという。
工業革命以降、地球温暖化が進行してきた。しかし気温の上昇は等速ではなく、緩急のあるものだった。たとえば20世紀中葉、気温上昇は明らかに緩和していた。1998年以降の温暖化も明らかに緩慢だった。科学者たちはその背後にあるメカニズムを探ってきた。
東京大学の小坂優副教授とカリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所の謝尚平教授が先日、「ネイチャー ジオサイエンス」誌のウェブサイトに発表した文章によると、過去120年間、熱帯太平洋東部の海面水温に“間欠性”の低下が見られ、その水温低下の時期と地球温暖化の減速時期がかなりの確度で一致したという。シミュレーション結果によると、海面水温の低下が地球の温度を下げる作用を持つことが分かった。もしこのような地球の温度を低下させる効果がなければ、地球の平均気温は1960年以降も持続的に上昇し、現在の平均気温より0.3度高くなっていたと考えられる。
2人の研究者によると、熱帯太平洋東部海域の水温は周期的に変動しており、それは太平洋の赤道上にある東風の強弱の変化と関係があると見られる。現在、この海域の海面水温は低下時期にあるが、今後水温上昇時期に転じれば、地球温暖化が加速する可能性が高い。
これまでも国際研究において、気候システム、特に海洋の内部変化過程が世界温暖化のリズムを作っている可能性が指摘されていた。最近は地球温暖化の速度が緩慢になっているが、この変化は短期的なもので長期的趨勢ではないと多くの科学者は考えている。人類は排気ガス削減の努力を緩めてはならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月28日