国連のグテーレス事務総長はこのほど、ニューヨーク本部で演説し、「2017年、世界はいくつかの恐ろしい過去最高の指標を目にする。気候関連の災害の経済コストは史上最高の3200億ドルに達し、エネルギー関連の二酸化炭素排出量は1.4%増の325億トンに達し過去最高になる」と述べ、世界に指導者にクズネッツ曲線の逆転、排出量の差の縮小に努めるよう呼びかけた。
グテーレス事務総長によると、2017年の化石燃料消費量は増加し、世界のエネルギー需要増加の70%を占めた。二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の大気濃度は80万年の最高水準に達した。海洋は史上最も深刻な温暖化と酸性化となった。気候変動に関する『パリ協定』が採択された際、人類は世界の温度上昇を2度以下に抑えることができ、上昇幅を縮小する努力をすれば1.5度にすることも可能だと見られた。科学者は現在、2020年までに行動しなければ、『パリ協定』で設定した目標を達成できないと懸念している。
グテーレス事務総長は、「数年さらには数十年の問題を解決することは困難だが、気候変動による影響は私たちの周りに現れている。国際社会は先進国から途上国に対して年間1000億ドルの気候資金を動員できるよう努めており、現状に安んじて何もしないことの代償は想像以上のものだ」と述べた。
また、クリーンエネルギーとエコエネルギーは以前より使用され競争力を持つが、化石燃料への巨額の補助金はエネルギーのモデル転換を妨害したと強調。国際通貨基金によると、2015年のエネルギー補助金は5兆3000億ドルで世界のGDPの6.5%を占め、継続してはならないインフラへの巨額投資がまだ続いている。
グテーレス事務総長は、世界は2020年までに排出量を25%以上削減し、2030年の温室効果ガス排出量を420億トン(二酸化炭素換算)以下にする必要があると指摘し、「2019年に志を高めるためのサミットを開く」と述べた。
さらに、世界は政治方針、イノベーション、融資、協力関係などを通していっそう努力する必要があると強調し、「世界には困難に打ち勝ち、勝利する能力があると信じている」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年4月3日