「今日は何を食べよう」。これは地球人が毎日発する言葉である。
宇宙に滞在する宇宙飛行士にとっても、これは以前からある言葉である。
1960年代初め、宇宙飛行士の食の選択肢は少なかった。彼らは何を食べるかより、どのように食べるかを重視した。中国宇宙飛行士センター宇宙栄養・食品工程重点実験室の陳斌主任は、「当時、月面上陸したことのあるソ連と米国の2カ国は、無重力の宇宙で宇宙飛行士は水を飲めるかを主に考えた」と話す。
この難題を解決するため、科学者は水分を多く含むペースト状の食べ物を使って水を「固定」させた。面白いことに、宇宙飛行士は搾り出さないと食べることができず、アルミの管に入った肉のすり身やジャムなどのペースト状の食べ物を歯磨き粉のように口の中に出して食べた。
しかし、このような食事方法は1960年代中期から70年代初期にかけて変化した。
米国のジェミニ宇宙船とアポロ宇宙船は燃料電池を電源に使用し、発電時に大量の水を発生させることができた。こうして、米国人宇宙飛行士は水で戻す食品を食べるようになった。このような食品は性質と風味が地上の普通の食品に近く、宇宙飛行士はジャムなど以外は「歯磨き粉式」で食事しないで済むようになった。
その後、食品冷凍設備と加熱装置のアップグレードに伴い、宇宙飛行士は新鮮な野菜や果物を食べ、温かいスープも飲めるようになった。
中国の「天宮2号」の宇宙飛行士の景海鵬氏は以前、宇宙での食事を次のように明かした。朝食はうるち米の粥やココナッツパンなど7品目、昼食は五目チャーハンや肉焼きそばなど8品目、夕食は緑豆焼きそばや牛肉ビーフンなど8品目、さらに間食で5品目を摂取する。