エネルギー保存説のほかに、睡眠の効果説もある。この説は、睡眠はある種の効果を実現するためというもので、「記憶の強固」などがある。多くの睡眠剥奪実験で、睡眠は長期的な記憶の強固に影響することがわかっている。動物も人間も、新しい知識を学んだり、学んだ知識を復習した後に眠ると記憶力が高まる。
雷旭氏は、「睡眠の機能説は広く認められている。学界は、睡眠は神経組織を回復・生長させ、翌日の昼間に機能を正常に発揮できるようにするためだとみている。睡眠は記憶を保護・強固する作用があり、良好な睡眠は翌日の復習に効果的」だと話した。
睡眠時間によって、今日こされる記憶のタイプも異なることが認識されている。例えば、半夜にノンレム睡眠が多い場合は陳述性の記憶と空間記憶を強固する。「青少年に早寝し、徹夜しないようアドバイスする。これは知識や公式などの陳述性の記憶の強固に非常に役立つ」と雷旭氏。また、夜中過ぎにレム睡眠が多ければ、プログラム性の記憶と感情の記憶が強固される。これは、精神障害者が夜中過ぎに怖い夢や悪夢を見ることが多い原因である。
雷旭氏は、「寝る理由に関しては、どの説にも合理的な部分があるが、それぞれに偏りがある。これらの説は全て正しい可能性もあるが、さらに研究して実証する必要がある。科学研究はすでに存在する理論を絶えず否定し、真理に近づいていくものである」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月19日