消費論理の変化により、物質が豊かな中で生活する若者の間で商品の使用価値、感情面の消費ニーズが高まっている。このような「喜びを目的とした消費」は、彼らに「不必要」な流行玩具を買いたいと思わせる。
また、「盲盒」の個性的なデザイン、多重の買い物体験、流行の特性もこの世代の消費論理と合っていることは間違いない。そのため、専門家は「盲盒」の流行は文化の流行の一種で、以前流行したブランドスポーツシューズ、レゴブロック、手帳と同様に、消費主義のもとで生まれた流行玩具だと分析する。
また、「盲盒」のどのシリーズにも「隠れ版」があり、別のデザインと比べて、この「隠れ版」が出てくる確率は低い。重複率が高く、「隠れ版」が希少という点は驚異的な利益をもたらし、「盲盒」のオンライン中古取引市場も人気を集めた。
閑魚の公式データによると、「盲盒」の中古取引は1000万元規模の市場になっている。2019年、30万人以上が閑魚で「盲盒」を取引し、1カ月あたりのリリース数は前年同期比320%以上増加した。最も人気のあるデザインは数十倍に値上がりすることも少なくなく、ポップマートのあるlabubu山椒魚隠れ版は59元から4999元に値上がりした。
しかし、「盲盒」の生産コストは10元ほどで、巨大な利益に誘惑され、参入者も増えている。流行玩具と全く関係のない会社も「盲盒」市場に参入し始めている。例えば、最近好調な瑞幸咖啡(luckin coffee)はグッズのカップを販売し始めた。そのほか、名創優品、晨光、旺仔牛乳なども「盲盒」事業に足を踏み入れている。
実は、新興の消費業態の背後には必ずある種の社会心理がある。「盲盒」という感情面の付加価値がある「喜びを目的とした消費」は、多くの若者の消費ニーズと合っている。業界専門家は、若い消費者には喜びを感じるものにお金を使い、感情を満たせる消費をしたいという心理があり、これは「盲盒」が人気となった主な理由だと分析する。
一方で、「盲盒」の人気に関する論争も多くあり、「盲盒」市場の今後の発展を観察する必要がある。(余嘉熙)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月13日