中国航天科技集団第五研究院有人宇宙船システム副チーフデザイナーの馬暁兵氏は記者に、「次世代有人宇宙船は今年、軌道上を約3日飛行し、各種重要技術を検証する」と述べた。
中国の月探査事業は「周回・着陸・帰還」の3ステップに分かれる。うち前2者はすでに完了しており、嫦娥5号探査機は全面的に月探査3期任務を完了することになる。
嫦娥5号探査機副チーフデザイナーの彭兢氏によると、嫦娥5号は長征5号ロケットにより、地球・月遷移軌道に送り込まれる。打ち上げ・軌道投入、地球・月遷移、月接近制動、月周回飛行、下降・着陸、月面作業、月面離陸、ドッキング、月周回待機、月面遷移、大気圏再突入・回収という11の飛行段階を踏まえる。嫦娥5号は月面試料を集め、これを安全に地球に送り届ける。
彭氏はまた、中国の月探査のさらなる計画を明らかにした。嫦娥6号は月の南極で試料を採取し帰還する。嫦娥7号は月の南極の資源詳細調査を行う。嫦娥8号は月科学探査・応用を掘り下げ、関連重要技術の月面試験を行い、月面科学研究基地の建設に向けた模索を行う。
月探査のほか、中国はさらに遠い深宇宙に進出する。第五研究院火星探査機副チーフデザイナーの賈陽氏は「中国初の火星探査任務計画は年内に実施される。1度の打ち上げ任務で、火星周回、着陸・巡視を実現し、火星全体の総合探査を展開する。また火星表面の重点エリアで詳細な巡視と調査を実施する」と述べ、次のように続けた。
「中国初の火星探査任務は、単純に他国の火星探査の古い道をたどるのではなく、高いスタートラインを設定している。これは中国宇宙技術の発展水準、宇宙技術者の自信を示している」
「任務全体に多くの見どころがある。探査機は火星付近での制動を一度に終えなければ、より遠い深宇宙に向かってしまう。下降・着陸も7、8分のみで、手に汗握る時間になる」
中国は昨年11月、河北省懐来の地球外天体着陸総合試験場にて、着陸機の火星環境における空中浮揚、障害物回避、減速・下降の過程のシミュレーションに成功した。その設計の正確性を総合的に論証した。
賈氏は「実際に着陸した後どのような地形を目にするか、火星ローバーがどのような探査データを取得するか、砂嵐や極度の気温低下が生じた場合どのように対応するか。これについては今後の経過を見守る必要がある」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月20日