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チベット医薬
発信時間: 2009-03-10 | チャイナネット

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 ユィトゥ・ユンタンゴンポ(玉妥・元丹貢布)
 ユィトゥ・ユンタンゴンポ(708~833)は、『四部医典』の編纂者、吐蕃王朝の頃の最も傑出した医学者として、チベット王の侍医を務めたことがあり、チベット医学の理論体系の創立者でもある。若い頃、民間医の処方を探し出して、研究するため、チベット各地をくまなく歩き回り、また何度も内陸部の山西省・五台山とインド、ネパールなどを訪れ、国内外の名医に師事し、著名な漢方医学者の韓文山およびインド、ネパール、カシミールの名医をチベットに招請して学術の研究、討論を行った。そして国内外の医学の成果と結び付けて、30余冊の医学論著を編纂し、チベット医学の系統的な体系を作り上げた。その医学の成果によって、チベット医の聖人として奉られている。


 『四部医典』
 『四部医典』は4冊、156篇からなり、ユィトゥ・ユンタンゴンポが8世紀に書き上げたもの。同書はチベット医学理論の重要な著作であり、内容が豊富で、さまざまな疾病の分類、人体の解剖、生理、病理、診断、治療、薬物の調合、調製法、使用法などに及ぶものである。チベット医学の中でのその地位は、『黄帝内経』が漢方医における地位に相当し、今でもチベット医学界で広く使われている。チベット医学の伝統では、チベット医を専攻する人はすべて、この『四部医典』を暗唱できなければならないことになっている。


 『四部医典シリーズ掛け図』
 『四部医典』が広く伝えられるようになってから、絵を使って授業を行う医者も現れた。17世紀、デス・サンギャム(第司・桑嘉)は自ら主宰して、全チベット地区の有名な医学者と画家を集めて、1688年に60枚の『四部医典シリーズ掛け図』を描き上げ、後に80枚まで追加した。『四部医典シリーズ掛け図』はカラーの図の形で、『四部医典』の各編の論述と結びつけて、チベット医の基本理論や、人体の解剖の構造と生理の機能、疾病の原因、病理と病状、疾病の診断方法と治療の原則、薬物の種類、性質、味とその使用法、および飲食、日常生活と衛生・保健の知識、医者としてのモラルと規則などの内容を描いたものである。掛け図の編纂は『四部医典』を読みやすくするためであるという。  
                                     『北京週報』2000年第35号

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