中国チベット学研究センターは初めて「チベット経済社会発展レポート」を30日に発表し、チベットの経済と社会は良好で、速い発展を保つ見通しだと示した。
チベット民主改革50周年に際して
この報告は、長期にわたってチベット発展の研究に携わる専門家や学者が共同で完成したもので、執筆した専門家や学者は去年の5月と8月にチベットに赴き、チベット経済や社会発展の状況について実地調査や個別の研究を行った。前書き、成長と変化、人類の発展、持続可能な発展、政府と市場、困難と挑戦、結びの7つの部分からなるこの報告の文字数は2万3千字。
この報告の目的は、チベットの発展に関心を持つ人に、現在のチベットの経済や社会発展という全面的な認識や理解を提供し、政策制定者にチベット経済の更なる発展を促進する政策決定に根拠を与えることで、チベット民主改革50周年に際して、チベット経済発展の回顧と総括でもある。
急速なチベット経済成長
図表:チベットの1959-2008年のGDPと1人当たりのGDPの変化(『チベット統計年鑑』と『中国統計年鑑』に基づき整理)
報告によると、今のチベットのGDPは急速に伸び、同時に固有の産業構造にも大きな変化が起っているという。三次産業における構造と割合の変化は、チベットの伝統産業構造にプラスの変化を生じさせ、量の成長だけでなく質の向上も現れている。
チベット人類発展指数などの関連問題の研究では、地方経済の高度成長に伴い、チベット住民、特にチベット族住民の人口増加や、1人あたりのGDP、平均推定寿命、平均教育レベルなど、人類発展を評価する上での重要な指数も革命的な変化を遂げたことが分かる。
またチベット経済の急速な成長に伴い、政府は法律や行政、資金投入に力を入れ、更にこの地域の生態環境の保護を重視している。その他にも産業発展政策の選択や市場を指導する面で、生態産業と環境にやさしい産業を優先する方針だ。
チベット経済は良好で速い発展を維持
チベットの住民の健康水準の変化
チベットは今まさに市場化への経済改革を経験しているところで、資源の配置、特に価格システムで重要な働きを発揮している。改革開放の初期と中期にチベットの各都市の様相に起こった変化は記憶にまだ新しく、最近の農牧地区の発展や変化はとても印象深い。
民主改革以降、特に改革開放後の経済発展の著しいチベット。しかし多くの挑戦にも直面している。例えば経済や社会発展のコストの高さや市場の成熟度の低さ、都市部と農村部の発展の不均衡、マンパワーの向上を待たなければならないなどは、この地域の長期にわたる挑戦であり、今後のチベット経済が発展するために解決しなければならない重要な問題である。
1978-2008年のチベットの農牧民1人当たりの純収入の変化
チベットの社会と経済の発展は、2008年の3月14日に発生した事件の影響を受けた。この事件はチベットの観光業に一時影響したが、ほかの産業への影響は限られている。
ここ数年、中央政府はチベットへの資金投入を増加している。また農牧民の収入レベルの向上や、住民の新しい消費ニーズの形成などで有利な要素が現れ、チベット経済は良好で速い発展を保つことができる見込みだ。
「チャイナネット」2009年4月1日