大都市のサラリーマンが集まった時によく話題になるのが、北京や上海などの大都市から離れるという話だ。中国の人材募集の会社が3万人の履歴書と約7000人のサラリーマンたちに調査を行った結果、8割の人が大都市を離れたいと考えていることが分かった。
また大都市で生活する意義はいったい何なのかと考える人もますます増えており、大都市の住宅価格は急速に上昇し、物価も上がっているが給料は上がらず、残業時間も増えて体の調子も悪くなっているという理由で、大都会から離れるという考えも出てきている。
最初の就職は大都市で
人材募集の会社の長年のデータによると、過去3年に大卒者に対して就業地域と移動状況の分析をしたところ、初めて就職地は北京が29.7%、上海14.9%、広州5.6%、深セン3.9%で、卒業から3年経った人たちの就業地も基本的にこの4つの都市に集まっており、北京30.4%、上海18.6%、広州5.0%、深セン3.3%だった。
専門家は「ここ3年の大卒者の就業地の移動は比較的小さく、移動率はわずか8%だった。また大卒者の就業地は大都市に集中し、一般的に就業後に都市を移動する割合は小さい」と話す。
その他にも転職する人が大都市を選ぶ理由は、就業のチャンスが他の都市よりも比較的に多いためだが、大卒者が大都市で就業したいと考えているため競争が激しく、大都市で就職のチャンスを探すことはとても難しい。そのため大都市でがんばっているサラリーマンたちはストレスがたまり、大都市を離れたいという考えも生まれてきた。
8割のサラリーマンが大都市を離れたい
便利で華やかな大都市には多くのチャンスがある。しかし調査では、北京や上海、深セン、広州で働く8割の人が大都市を離れたいと考えており、もし就職のチャンスが確実であれば、80.8%の人が大都市以外の中、小都市で就職したいと考えている。
住宅価格、ストレス、環境汚染
住宅価格や生活にかかるコストが高すぎると考えているサラリーマンは6割以上。また仕事のストレスが大きく、生活のリズムが速すぎると考えている人は約5割だった。また大都市の環境は悪く、大気汚染は深刻で、交通も渋滞しているとする人は3割以上いた。
幸福の指数は都市の経済発展レベルとは比例しない
人材募集の会社の顧問は、大都市を離れたいという勢いは多くの大学卒業生たちに対する示唆で、就業地域は自分の本当のニーズと状況で選ぶべきで、幸福の指数は都市の経済発展レベルとは比例しないと指摘する。
「中国網日本語版」(チャイナネット) 2010年4月21日