しかし、その後、現場の雰囲気が突然緊迫したものとなった。犯人は「午後3時に大事件が起こる」と書いた張り紙を出したのだ。
現地警察の狙撃手がずっと現場で待機、犯人の弟が現場に来て兄の説得を始めた。午後3時になり、現場で何が起こるのか、誰もが息を潜めて情況を見守った。しかし、現場は静かなままで何も起こらなかった。犯人の弟は、タイムリミットを3時半にするよう犯人に求めた。
3時半、犯人は「Media Now(マスコミと連絡を取りたい)」と書かれた別の紙を張り出した。また、車内のエアコンが切れないよう、バスへ給油するよう要求した。午後4時過ぎ、男性1人が解放された。バスには、観光客14人とツアーコンダクター1人の人質計15人がまだ残されていた。
夕方になり、犯人は電話であるラジオ放送局の取材を受け入れることを承諾した。多くの特別警察が現場を包囲している情況から、最後には自分は射殺されるだろうと予測していた犯人は、警官に現場から立ち退くよう求め、さもないと人質を殺すと脅迫した。