駐リビア中国大使館は21日、現地の中国華豊公司建設工事現場が20日占拠され、1千人以上の中国人作業員が宿舎を出て避難したと明かした。作業員達は、パスポート、帰国用航空券、食品・水だけを携帯し、徒歩で数百キロメートル離れた首都トリポリに向かい、帰国を試みている。「新京報」が伝えた。
トリポリ郊外で農業関連プロジェクトに携わる広東の企業の現地派遣社員・袁燦華氏によると、現地時間20日午後10時過ぎ、華豊公司に勤める友人からの電話を受け、リビア東部アジュダービーヤー(Ajdabiya)市の華豊公司プロジェクト部と建設工事現場が同日午後6時、銃を持った暴徒に占拠されたことを知ったという。コンピュータなどありとあらゆる物品が根こそぎ略奪され、従業員達は敷地から外に追い出された。
華豊公司の管理層は同夜、1千人の中国人従業員を連れてアジュダービーヤーを離れた。幸いなことに、旅券と帰国用航空券は、従業員達が持っていた。彼らは首都トリポリまで歩き、飛行機で帰国する計画だが、トリポリは数百キロの彼方にある。
華豊公司本社プロジェクト部担当者によると、追い出された現地従業員達は、すでに安全な場所まで移ったという。
中国国家商務部は通知を出し、リビアで投資提携業務を行っている企業は、現地情勢について十分に情報収集し、現地への人員派遣を当面見合わせるよう注意を促した。また、衝突が激しく起こっている地域の企業は、駐リビア中国大使館に状況報告を行い、適宜安全な地域に移るよう求めた。
ここ数日、中国交通建設(中交)、中国建築(中建)、中国中鉄(中鉄)、中水集団(中水)など大型中国資本企業の現地プロジェクト現場では、ことごとく略奪事件が発生している。現地在住の中国人によると、略奪のターゲットは中国資本企業だけではなく、韓国企業も襲撃されているという。(編集KM)
「人民網日本語版」2011年2月22日