中国人は「金を使わない」という言葉には議論がある。最近発表されたレポートによると、2010年中国人観光客がフランスで購入した免税商品の合計金額は6.5億ユーロに達し、「フランスショッピング王」のタイトルを守った。高価なルイヴィトンのバックは最も人気がある商品である。最近、海南離島免税政策が実施されてから、免税店には多くの観光客が集まり、ハクサイを買うように贅沢品を争って買っている。
もうひとつの「争って買う」現場
「メーデー」の休日、昆明のあるスーパーマーケットで「野菜セール」が行われた。通常価格より1キロ2.3角安く買うため、多くの市民が列を成して争って買い、30分以上も並んだ人もいた。
先日、重慶のあるスーパーで安く菜種油が販売され、1本10元安く売り出した。我先にと集まった人が将棋倒しになり、事故が発生、死者3人、31人が負傷した。
ルイヴィトンを争って買う人には、野菜を争って買う市民が理解できない。そんなはした金のため、なぜそんな苦労をするのか?命に及ぶほど?反対に、野菜を買うために並ぶ人はルイヴィトンなんてものは全然知らないし、1万元以上出して1つのバックを買うことは想像できない。
国家統計局の最新発表したデータによると、2010年中国の都市生活者の一人当たり平均収入は19109元、農村生活者は更に少なく5919元である。この収入レベルで1家庭が日常の生活必需品を購入するだけではなく、また住宅、医療、教育など多方面の支出も賄わなければならず、少しでも手元に残ったお金があれば老後保障のため貯蓄するのだ。
なぜ消費の意欲が低く、最終消費率が低い位置を保ち続けるのか?重要な原因の一つは、裕福で消費が活発な人は少数で、圧倒的多数の市民の収入レベルが低いことが挙げられる。収入が伸びなければ、消費拡大の気持ちがあっても実行できないからだ。
最近、社会全体の財産は確かに増加したが、所得格差の拡大はさらに大きな関心の的となっている。改革開放の初期、中国のジニ係数は0.3で、1990年代中期には0.42、2010年には0.48に達した。ある研究によると、現在1%の中国人が40%の金融資産を占有しているという。一部分の人が贅沢品を争って買う現象も、社会全体の財産が少数の人にあまりに集中していることを意味している。消費不況を改善すれば、必ず一部分の人の収入が少ないという現実を直視しなければならず、一般の市民の財布を本当にふくらますにはどうしたらいいかを考えねばならない。特に、大勢の中低収入者に対して、強力な措置が必要だ。例えば、大幅に最低給料基準を上げる、就業と起業を拡大するなどだ。彼らの収入を急速に大幅に伸ばせれば、CPIを勝ち取れるばかりか、GDPも超えるだろう。
すなわち、一般市民の収入が明らかに伸びれば、彼らも消費に走り、様々な消費刺激策も効果を発揮するだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年5月19日