中華全国婦女連合会と国家統計局はこのほど、「第3回中国女性の社会的地位に関する調査報告」を共同で発表した。これは、1990年(第1回)と2000年(第2回)に続く、中国女性の社会的地位に関する全国規模での調査となった。報告によると、中国女性の社会的地位は、この10年で著しく高まったが、解決すべき問題は依然多く、取り組むべき課題が目の前に立ちふさがっている。国際金融報が伝えた。
中華全国婦女連合会副主席・書記処第一書記を務める宋秀岩氏によると、10年前と比べ、中国女性の健康状態は目覚ましく改善したという。また、教育レベルや経済能力もかなり高まり、特に、農業分野における女性の就業比率は大幅にアップした。女性の社会保障レベルも高まり、男女間格差は相当縮小した。管理職など指導的立場に占める女性の割合もぐんと高まり、社会における女性の主導性は強まった。家庭における地位に対する女性の満足度はかなり高まり、家庭内での決裁権も強まった。男女の家事分担意識が普及し、家事労動時間における男女差は縮小した。「中華人民共和国女性権益保障法」が人々により広く知られるようになり、男女平等という基本的な国策が国民にさらに深く浸透した
経済的状況に注目すると、18-64歳の女性の就業率は71.1%、うち都市部が60.8%、農村部が82.0%。就業女性のうち、第一次産業に従事している女性の割合は45.3%、第二次産業は14.5%、第三次産業は40.2%。都市部の女性の平均年収は男性の67.3%、農村部の女性では56.0%。農村の女性で、農業以外の仕事に従事している人の割合は、24.9%と10年前に比べ14.7ポイント上昇した。農村部の男性の場合、この割合は36.8%、10年前に比べ17.9ポイント上昇。過去に故郷を離れて出稼ぎ労働をした経験がある女性が出身地に戻って農業以外の仕事に従事する割合は37.8%に達し、故郷を離れた経験がない農村女性より16.3ポイント高かった。
宋氏は今回の調査によって、以下のような諸問題が浮き彫りになったと指摘している。▽西部の農村に住む女性の教育レベルと健康レベルが比較的低い▽男女の所得格差がまだかなり大きい▽農村女性の失地(強制収用により土地を失うこと)問題が目立つ▽女性の社会参加と決裁権および管理に関していくつか障害が残っている▽女性の家事労負担は依然男性より重い--。
宋氏は「中華全国婦女連合会は、今回の調査で得られてデータ、特にそこから浮上した問題ついて掘り下げた研究を進め、有効な解決策を見いだし、関連部門に提案する」との意向を示した。
「人民網日本語版」2011年10月24日