米アップル社の故スティーブ・ジョブズ会長の公式伝記「スティーブ・ジョブズ伝」が24日、世界で同時発売された。簡体字中国語版を出版した中信出版によると、同日午前10時5分、10月5日にこの世を去ったスティーブ・ジョブズ会長に対する敬意と哀悼の意を込めて、中国国内の書店30店舗で一斉発売されたという。上海では、福州路店、五角場店、季風書店陝西路店の3店舗で購入可能。解放日報が伝えた。
「スティーブ・ジョブズ伝」は、ジョブズ氏が世界の人々のためにこの世に遺した最後のプレゼントだ。著者は著名伝記作家のウォルター・アイザックソン(Walter Isaacson)氏。過去2年間にわたる40回を超える本人へのインタビューや家族、友人、仕事上のライバル、同僚ら100人以上へのインタビューを盛り込んで執筆された。アイザックソン氏は、ジョブズ氏と面会していた数少ない人物のうちの一人。最終インタビューの時、心を締めつけるような悲しみに耐えながら、アイザックソン氏は「この20年、あなたはメディアを拒み続け、プライバシーを大切に守ってきました。なのに、この2年間、伝記のために自らをさらけ出しインタビューに応じてきた理由は一体何なのですか」とジョブズ氏に質問した。ジョブズ氏はこれに対し、「私は、子供達に私のことを知ってもらいたかったのです。子供達と一緒に過ごす時間はほとんどありませんでした。私が仕事をする理由、やってきたことを子供達に知ってほしいのです」と答えた。ジョブズ氏はアイザックソン氏に対し、伝記の内容については一切干渉しないことを承諾し、本当の話を書くようにと激励した。アイザックソン氏が約600ページにつづった文章は「ありのままの」ジョブズ氏を描き出している。ジョブズ氏が亡くなった後、アイザックソン氏はジョブズ氏の最後の日々に関する内容を追加した。ジョブズ氏が亡くなった日、米国での出版社サイモン・アンド・シュスター社は、彼を追悼する意味を込め、予定していた発売日を11月21日から10月24日に前倒しすることを決定した。
簡体字中国語版を出版した中信出版は9月20日、海外の著作権保有者から英文版最終原稿をようやく受け取った後、翻訳、編集、校正、印刷各チームがフル回転で発行準備を進め、予定通り、中国の読者のために、世界同時発売の日に店頭に並べるという目標を達成した。発売初日に書店に並んで購入した人には、もれなく素敵な記念品が贈られ、このうち先着200人には、さらなる特別プレゼントが用意されたという。また、当当、卓越、京東、蘇寧易購などオンライン書店でも、24日より販売・配送業務を開始した。
「人民網日本語版」2011年10月25日