アジア大会で大学生からなる日本チームに負け、なでしこジャパンにも女子サッカーが負け、同じアジアの日本がなぜそこまで伸びたのか、アジアでトップになれなければ世界に羽ばたくことは夢に過ぎないので、お隣りの日本に視察に行くことは世界の動きを知る上でプラスとなろう。そして日本も地震や経済不況でサッカー界も楽じゃないことを知ることはさらに勉強になろう。
中国はすでにスペインから監督とアシスタント役を3、4名も招請し、特訓を始めている。中国のことだから、やると決心したからにはとことんまでやるに違いない。しかし、杞憂かも知れないが、中国スポーツ界にとって、ウルトラ教育ママ、パパがハードルになると思っている。現在、中国は受験、バイリンガル、数学オリンピックでチビッ子たちはがんじがらめになっている。私はこれは時の流れだと思っている。というのは就職のためにはハイレベルの知識を必要とするからだ。ほとんどの父兄は放課後の「部活」、「クラブ活動」を貴重な時間の浪費と見なしている。中国スポーツ界は、ゴールドメダリストや、ペレ、ベッケンバウアー、マラドーナのようなかつての名選手を育てる努力の過程で、やがてはウルトラ教育ママ、パパという飛び越え難きハードルに突き当たるに違いない。中国スポーツ主管部門の諸賢はいかなるソリューションをもってそれに立ち向かうおつもりか。今の子供たちは、放課後には数学の塾、英語の塾へ通わざるをえないという「二重苦」、「三重苦」の時間が待っている。私の知人の子供なんかは夜の11時頃まで宿題にしがみついているらしい。そして、中学生になれば、欧米の学校への留学というハードルが横たわっている。中国の大都市の子供たちに、汗だくになってサッカーのボールを追い回す日がやってくるのはいつの日か。杞憂かも知れないが、子供たちに「二兎を追わせる」ことは至難の業である。しかし、中国のサッカーをいつまでもこのままにしておくことはできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月27日