日本の農家で8年間、日本式の野菜栽培を学んだ李瑞華(49)さんらは、天津市濱海新区楊家泊鎮高庄村に400万元(約4800万円)の資金を投じて約13ヘクタールの「濱海徳利蔬菜(野菜)栽培モデル拠点」をつくった。今では中国農業科学院や天津市キュウリ研究所、天津蔬菜研究所、天津農業科学院などの実験拠点ともなっており、李さんの働きかけのもと、付近の住民たちもビニールハウスを建てて野菜の栽培を行っている。中国天津市の朝刊「渤海早報」が報じた。
▽日本での経験を取り入れた野菜栽培
13日午前、記者がモデル拠点に到着した際、李さんは「野菜直売店」の建設に立ち会っていた。直売店はモデル拠点の保冷庫のすぐ横に建てられ、完成後は同拠点で生産した緑色野菜(無農薬・低農薬野菜)を販売する予定という。
「畑で採れた野菜を直売店で販売するというのは、日本で学んだ方法」と話す李さんは、1999年に日本の農家で働き始めた。日本で初めに教わったのはどのように野菜を栽培するかではなく、農地に対する態度だったといい、自分の子供を世話するかのように真心を込めるようにと教わったという。そのため、李さんは、鶏糞や牛糞、豆粕を混ぜて作った肥料などを大量に購入し、1ヘクタール当たり225-240立方メートル使って、同拠点の土地を肥やした。これは中国の一般的な使用量の5倍に相当するという。また、エビの殻などが混ざった有機肥料も使っているといい、日本での経験を存分に生かしている。
李さんは「これは日本で学んだ野菜栽培の経験を取り入れたもので、土地が肥沃であって初めて、栄養価の高い野菜ができる」とし、土地の疲弊を避けるため、毎年6-8月は土地を休ませるという。同拠点の土地は肥沃で、できた野菜は供給が需要に追いつかないほどの大人気。