林国本
日本の東京・代代木体育館で行われたワールドカップ女子バレーボールの試合で中国はとうとう三位を確保し、ロンドン・オリンピックへの切符を手にした。
かつて連覇をとげ、王座に坐り続けた中国女子バレーボール・チームも、その後、ベテランの引退などで長い調整期に入ることを余儀なくされた。その間、戦績が思わしくないなどの理由で、監督の「人事異動」や健康問題による辞職なども続き、この長いトンネルをいつ通り抜けられるのか、スポーツファン、特に女子バレーボール・ファンにとっては大きな疑問であった。
スポーツ競技、特にボールゲームは相手のあることだし、今やヨーロッパ、アメリカ、南米のチームもかなり強化されているので、今回の遠征にあたっては中国の監督も3位に入るにはかなりの不確定要素がある、と見ていた節がある。
今回はイタリア・チームが想像以上の力を発揮し、ついに1位となったが、しかし、最終場面まで、1位になれるかどうか疑問を持つ向きもあった。だが、強豪アメリカ・チームの不振や、最終場面で日本チームに3対0で破れることになり、アメリカ・チームはついに2位に甘んじることになった。
今回ホスト国の日本チームも善戦した。日本チームは常に相手チームの弱点を的確に突き、相手チームの長所を封じるやり方を貫き、各国チームにとって手ごわい存在となった。日本チームは身長の面で不利であったが、それをテクニック、迅速な移動などでよくカバーし、円熟の域に近い攻防で最初から最後まで善戦した。かつては「東洋の魔女」とさえ言われたことのある日本女子チームを中国はずっと手ごわい相手と見なしてきたが、身長や多くの角度からの攻撃で封じ込める自信はあったようだ。