北京に住むネットユーザ(ハンドルネーム:Ranieさん)は先月29日、市内の団地に貼られたエイズ予防宣伝ポスターをネット上にアップロードした。2人の男性が手を繋いでいるシーンや、コンドームを手にしているシーンのポスターだ。ポスターの下部には「北京市衛生局、北京市疾病予防抑制センター印刷」と表示されている。政府広報的色彩の強い「男性同性愛者」向けエイズ予防宣伝ポスターがネット上で公表されるやいなや、多くのネットユーザによって転送され、さまざまなコメントが寄せられた。新京報が伝えた。
エイズ専門家は5日、これらのエイズ予防ポスターは、中国政府がエイズ予防事業にさらに深く取り組み、よりヒューマナイズされた公共サービスを目指す姿勢を示すものだと指摘した。ポスターのデザインに携わった王暁冬氏も「ポスター制作時には、これまでの堅苦しいスローガン式宣伝文句を改め、エイズに感染した男性同性愛者が自発的に自分や仲間の健康を大切にするよう啓発することを目標とした」と話した。
今回完成した「男性同性愛者」向けエイズ予防ポスターは、国家疾病予防抑制部門が、政府資金を拠出し専門機関に制作を委託し、「男性同性愛者」エイズ予防ボランティア機関にポスター設計に関する協力を要請し、完成した。
中国では、同性愛者に対する社会的認知はまだまだ行き渡っていないのが現状だ。このため、今回のポスター制作については、一般入札募集を実施せず、疾病抑制部門の専門家による推薦と論証を通じて、エイズ予防事業で評判の高い四川省の同性愛支援団体「成都同楽健康諮訊サービスセンター」に委託した。
エイズ専門家は「男性同異性愛者向けエイズ予防ポスターの制作で政府部門と民間エイズ予防団体が協力する初の試みといえる。これまでは、一般市民向けに作成されたエイズ予防ポスターやパンフレットによって男性同性愛者の注意を喚起することは、極めて難しかった」とコメントした。