SNS事業の国内最大手・テンセント(騰訊)「微博」(ミニブログ=中国版ツイッター)でこのほど、「画数の最も多い漢字」が話題を集めている。
その「漢字」とは、中国で画数が最も多い字で56画(繁体字)、「biang」と発音する。中国教育新聞網や中国教育法刊社などの政府系ミニブログも、テンセントのオリジナルブログを転載している。ネットユーザからは、「見識が広まりました。保存しておきます」といったコメントが多い。なお、「新華字典」や「康煕字典」を紐解いても、この字は掲載されていない。
西安を訪れたことがある李氏は、陝西方言で「biang(第2声)」と言えば、西安の街頭で売られている地方色豊かな小喫(軽食)「biangbiang」麺があると指摘した。
鄭州大学の現代中国語専門家・張明奎副教授は、「現地で多くの人が知っており、使用している字は、民間に伝わっている俗字といえる。文字には、『絶対に間違っている』ものなどなく、辞書に掲載されていないからといって、字ではないと判断するのは間違った認識だ。ある地方で人々が使っているのならば、その字には意義がある」との見方を示した。
西安市無形文化遺産保護センターの王智副主任は、2009年にメディア取材を受けた際に、「この字は、関中平原(西安を中心とする地域)の民間から誕生した極めてユニークな漢字で、発音は唯一無二、あらゆる漢字の中で画数が最も多く、書写するのに最も複雑な字だ。この一字だけで、無形文化遺産への登録申請ができる」とコメントした。
「人民網日本語版」2012年2月28日