それでも、以前は羅先でも具体的な新規事業は見られなかった。しかし今回、車で羅津の町に入るなり、3棟の新しいビルが目に入ってきた。羅先市対外経済協力局の職員によると、そのビルは中国のとあるディベロッパーが投資建設したマンションである。まだ完成していないにもかかわらず、既に完売しており、購入者は羅先で仕事をしている中国のビジネスマンだけでなく、現地の朝鮮人も少なくないという。羅先で貿易に長年携わってきた延吉出身の朝鮮族のビジネスマン、李さんは「長年の民間貿易により、今の羅先や周辺の地域には、人民元2 0万元以上の運営資金を持っている民間の商社やビジネスマンがたくさん存在する。羅津市場は既にここ一帯の日用品の集散地として繁栄しており、中国からやって来るトラックの多くは朝鮮の商社のトラックに直接、納品を行っている。ここでは金銭と荷物を直接交換するやり方が一般的である」と話す。
この市場の将来性に注目し、李さんは更に新たな市場を形成することを決意し、既に朝鮮側の土地使用証を手に入れていた。プロジェクトの使用面積は1.3万平方メートルを超え、使用期限は30年間。また、建材工場のプロジェクトで占有面積5万平方メートル、土地の使用期限が20年など、記者は他でもこのような土地使用証は見かけた。