羅先の農村で起こっている変化に、『環球時報』の記者はかつてどこかで見たような感覚を覚えたと言う。羅先の農場は2011年に新しい生産分配の方法を試みた。通年の収穫の30%を国に納め、70%は農場に残すというものだ。2011年は豊作で、前年に比べ2割以上収穫量が多かった。そのため、農場の従業員は400キロあまりの食糧分配を受け取る事ができた。朝鮮では、食糧は人々にとって、生きていくのに最も重要な物資である。この試みは中央政府に伝わったが、責められるどころか、2012年も引き続き行なうよう奨励を受けた。しかし、朝鮮では人々の地域を越えた流動は厳しく規制されており、違う地域に行きたい場合には、戸籍登録されている地域の関連部門の許可と紹介状が必要であり、これは羅先も例に漏れない。また、合資企業が朝鮮側の従業員に渡す給与は、先に政府に渡さなければならず、従業員が最終的に手にする40%は公的価格で両替された朝鮮のお金である。
現在の羅津港は長年使われてきた古い港であり、隣接する小さな山からは将来の新しい港湾地域を見る事ができる。ガイドしてくれた朝鮮側の関係者によると、計画では山は爆破される予定であり、山の土砂で海を埋め立て、新たな港を建造するという。山の跡地には倉庫区域、物流区域などの港湾と一体化した付属区域が建設される。韓国メディア2月の報道によると、中国は羅先特区4号、5号、6号ふ頭の50年間の使用権を獲得したという。朝鮮側の関係者によると、工事期間はそこまで長くはかからないだろう。新しいふ頭のいくつかは水深が約10数メートルから30メートルに達するという。
港湾経済は羅先の三大経済の中で最も壮大であるが、建設周期も最も長くかかるだろう。羅先特別市人民委員会副委員長(副市長)黄哲男氏によると、羅先の他の二大経済は中継貿易と観光旅行である。黄氏は、中国の民営企業の観光プロジェクトの視察団と面会した時に率直に、「観光は短期間で効果を期待できる経済プロジェクトであるが、羅先市には投入できる資金があまりない。そのため、興味関心を持ってくれる投資家を歓迎する。必要な条件や優遇があればどんどん言って欲しい。羅先特別市の力が及ぶところであれば、最善を尽くしたい」と話した。