墓参りをする、中国の伝統的な祭日・清明節を4月4日に控え、河南省のニュースサイト・大河網がこのほど、先祖を祭るさまざまな方法を紹介した。
中国では、「亡くなった人は埋葬すれば極楽往生できる」というのが、伝統的な葬儀に対する考え方だが、経済発展とともに墓地の値段も高騰しており、「死に切れない」とブラックジョークを飛ばす現象まで起きている。そんな中、遺骨を埋め樹木を墓標として埋葬する「樹木葬」でも極楽往生できると考える人が増えていることに代表されるように、自然に優しい「低炭素埋葬」の葬儀や供養の仕方もすこしずつ受け入れられるようになっている。
▽墓地は単なる形式 樹木葬でも極楽往生できる
「母親の遺骨はずっと納骨堂に置いてある。子供たちもほとんど見に行くことはない」と話す呉さん(66歳男性)は、「子供に樹木葬のことを聞いた。それでも自然に帰ることができる」と語り、母親も樹木葬することを考えているという。
また、「墓地は形式にすぎず、これまでも土で盛った墓の上に樹木を植えていた。樹木葬でも極楽往生できる」とし、「一番大切なことは生きている時に精いっぱい親孝行すること。そんな葬儀をするかは、気休めにすぎない」と話す。
そして、「今は土地も限らており、墓地の値段も高騰している」とし、「墓を立てたばかりの時は、子供たちが墓参りに行くかもしれないが、孫やひ孫の代になるにつれ、忘れ去られてしまうもの。そうなればもったいない。100年後でも子供たちに樹木葬を勧めるだろう」と笑いながら語った。
一方、2008年に父親と一緒に亡くなった祖父の遺骨を樹木の下に埋めたという趙さん(36歳女性)は、「父親も昨年に亡くなった。母親が1年遺灰を手元で保管し今年、父親の遺言の通り、樹木の下に埋めることに同意した」という。
そして、「心の中で父親のことを忘れないのが一番」とし、「父親のことが恋しくなったら、中国で増えつつある仮想空間に墓を建ててまつる『ネット供養』を利用して、線香をあげる」と語った。