14日の「日本新華僑報」によると、日本の街にはホームレスは存在しているが、ほとんど物乞いはいない。日本のホームレスには、ほんどうに生活のために路上生活しているものは少なく、多くは家があっても帰らない。ホームレスになる理由には2つあり、1つは社会に対するやる気をなくし、心理的に挫折した者で、ホームレスをすることで現実の挫折と悩みから逃げている。もうひとつは単純に自由を謳歌し、拘束のない生活をしたいものだ。
経済で一度は輝いた時代があった日本が、ホームレスが発生する国であることは想像が難しい。日本厚生労働省が4月13日に発表したあるデータによると、今、日本には全国で9576人のホームレスが都市の公園や川岸で生活している。その中でも大阪府のホームレスが一番多く、3分の1を占めている。その多くは男性で、女性はたった304人しかいない。
調査によると、ホームレスは一般的にアルバイトをしたり、プラスチック製品を拾って売ったり、また駅などで乗客が捨てた雑誌を拾って売って生計を立てている。ホームレスには年金に頼って生活しているものも少数いる。中国と比べて興味深い現象は、日本の街にはホームレスはいるが、ほとんど物乞いはおらず、街で物乞いをする人はいない。
周知のとおり、日本は豊かな国でよい社会福祉保障制度もあるが、依然として帰る家がない人もいる。しかし、彼らは一般的な意味での「物乞い」ではなく、日本社会でみられる現象の特色となっている。
日本の社会保障の規定により、失業して完全に収入がなくなった人は、毎月定額の失業保険金を受け取ることができる。労働能力を失って、扶養する人がいない老人は、毎月生活保護以外に、家賃の減額、水道代、医療費も無料になる。市内交通費は70歳以上は無料で、未成年の子供があれば生活保護の増額がある。これらの規定により、基本的な生活を維持できる、ホームレスになる必要はない。
日本でホームレスをすることに、便利な条件もある。日本の都市には、駅と公園が多く、大きな駅は広く何階もあり、ホールにレストランと店がいっぱい。公園もすべて塀がなく、広くて郊外の観光地のようだ。これはホームレスが家をつくることに便利な条件を提供している。
そのほか、日本では「食品衛生法」が厳しく、レストランで販売できなくなった食べ物は15時間後には捨てないと重い罰金を受ける。これはホームレスにチャンスを提供しており、彼らは一部分のレストランの「専門」客になり、決まった時間にレストランは彼らに無料の「立派なごちそう」を準備する。大阪府はかつてホームレスに無料の健康診断を行い、多くのホームレスが高血糖などの成人病を患っていることがわかった。
つまり、日本のホームレスには、本当に生活に困っている人は少なく、多くが家があっても帰らない人だ。日本でホームレスが多い理由は2つある。
1つは社会でやる気をなくし、心理的な挫折をした者は、ホームレスになることにより現実の挫折や悩みから逃避している。ホームレスの一部には精神的な問題を抱えており、個人、家庭、社会からの様々な圧力に直面すると、自制し耐える能力を失っている。そのため、ホームレスになることで逃避しているのだ。また、日本社会の長時間の優れた福祉、楽しみ追求に対する異化と反逆で自分の高い欲求を満足できなくなった時に、極端に走り何も求めない心理により、自分の心の中の幻の欲求を満足する。
もう1つの原因は、単純に自由に熱中し、拘束がない生活をする者だ。日本でよく、慈善機関や社会団体があり、愛の配慮から、特にホームレスをホテルに招待し、彼たちに入浴、食事などを提供し、ホームレスの生活をやめて社会に復帰するように説得し、更に仕事の機会を提供したりしている。しかし効果はあまりなく、大部分の人が食べ終わると、翌日またホームレスの生活をする。これにより、大部分のホームレスは、就職できなくて生活できないからではなく、明らかに、「自らの意志」でやっているのだ。
日本のホームレスはある特別な現象で、多くのホームレスが身につけているものはだらしがなく、人にお金も食べ物も要求せず、悩みもなく、逍遥している感じがある。日本のホームレスは基本的に「貧困」問題の表れではなく、人生哲学と社会学に関係がある社会問題である。実に、これは日本の「恥の文化」と関係がある、挫折に遭遇したとき、他の人に直面する勇気がなく、ホームレスになることを選択する。筆者は実際に接触してみて、日本のホームレスで人々が我慢できないのは、彼らが長期間入浴していないために、体から特別の「すっぱいにおい」がすることである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年4月17日