アメリカの話になると、皆が最初に口にすることは決まって「世界で最も経済が発達した国」である。とすると、アメリカ人は比較的裕福であり、消費に関しても比較的豪快であるはずだと考えるのが普通である。
しかし、実際はそうではないようだ。アメリカでは、一部の超大金持ちな人々を除いて、中間層とサラリーマン層は消費に関しては極めて倹約的である。その節約の仕方は我々が想像する以上だ。
「民は食を以って天となす」と俗に言うが、まずは日常の食生活からある程度の見識を得てみよう。アメリカの食品価格は所得に対して極めて安価と言える。豚肉は1ポンド3ドル、卵は1ダースでも2ドルほどであり、各種穀物も非常に安い。
たとえここまで物価が安くとも、アメリカ人は食の面ではとても質素である。アメリカ人の家族に中国語を教えている友人がいる。この家族はマンハッタンに住んでおり、夫妻は共に銀行の管理職であり、家政婦とベビーシッターをそれぞれ雇い、2人の子どもがいる。この家庭の裕福さは中間層を遥かに上回っているが、それでも彼らは質素な生活を送っているという。息子はまだ5,6歳ほどだが、食べ終わると必ず食器をきれいに舐め、テーブルに落ちた食べ物もきれいに残さず食べる。旦那さんの専用冷蔵庫に入っている食品で一番多いのは、ハンバーガーやサンドイッチなどのファストフードである。これらの食品はアメリカでは一般的であり、道端のどんな小さな店でも売られている。