結婚プレッシャーによって最終的に最も重圧を受けるのは、最も貧しい未婚男性で、これによって一連の社会問題が誘発されることは避けられない。南開大学人口・発展研究所の原新主任は、「男女比のアンバランスが中国の高齢者保障制度に大きな脅威をもたらすことは必然のすう勢だ」と指摘した。原主任は、「多くの男性はパートナーとめぐり合えず、配偶者も子供も得られないまま年を取る。誰が年老いた彼の面倒を見るのか?社会の高齢者保障制度の負担が、水面下で段々と大きくなっている。そして今後5年から10年後に、男女比アンバランスに端を発したさまざまな社会問題が軒並み、水面下から浮かび上がってくるだろう」との見方を示した。
国家人口計画生育委員会、公安部、衛生部など6部門・委員会は昨年8月、男女比の深刻なアンバランスを是正する目的で、「両非(非医学的需要による胎児性別鑑定と人工的妊娠中絶)特別粛清活動」を8カ月間にわたり共同で展開した。
6部門・委員会は今年、再び共同文書を出し、今年を「男女比アンバランス重点管理年」とし、国民の結婚・出産・育児に対する考え方や子供の性別に関する希望を少しずつ変えようとしている。
原主任は、男女比アンバランスの点から見て、政府の措置は単なる応急処置に過ぎず、根本から本当に変えようとするなら、社会保障を完備し、「男尊女卑」という中国人の固定的観念を変えることが最も重要だと指摘する。
原主任は、「根本的な対策として、中国はまず、高齢者保障体制、特に農村における高齢者保障体制を整備しなければならない。そうして初めて、人々の『子供に老後の面倒を見てもらう』という昔ながらのニーズが軽減する。また、農業・農村経済の現代化も、男の子に対するニーズを減らすことができる。同時に、『女の子に思いやりを』のキャンペーンを広く展開し、女の子の生育環境をより高め、女の子の地位を高め、女の子を取り巻く生活・成長環境を改善する必要がある」とコメントした。
*◆は曜のつくり
「人民網日本語版」2012年5月28日