魚網を破壊し、魚類を傷つけ、堤防を壊す。中国からやってきた上海蟹が今、ドイツの河川を氾濫させ災害をもたらしている。これによる損失は8000万ユーロに達する。しかし、最近ドイツの漁民たちは、上海蟹を中国レストランに販売するといううまく納まるよい解決方法を探しだした。
独紙ベルリンメルクリオ2日の報道によると、上海蟹数匹が先日、夏の日差しにまぎれて、ベルリンのドイツ連邦国会ビルに忍び込んだ。ドイツ観光客がこれを発見し、警察に通報後、外来「侵入者」たちは動物保護機関に「捕縛」された。
しかも、独ラジオ局ドイチェ・ヴェレの1日の報道によると、早朝7時、漁民たちが魚を獲ろうと仕掛けた網には、欲しかったうなぎではなく数十匹の上海蟹がかかっており、はさみを振り回しているという。
報道によると、こうした中国からの外来種である上海蟹は、1900年からヨーロッパに「移住」した。ドイツの公的な記録によると、1912年にはドイツでこの中国特有の上海蟹が発見されている。1933年、ドイツの科学家の調査により、上海蟹は商船によりヨーロッパに着いたことがわかっている。
それから、この「なんでも食べる」上海蟹はヨーロッパの河川で横行し、更に現地の生態系に深刻な生存脅威となり、ドイツで唯一の淡水カニになっている。この1日12キロを進むという「甲殻動物」は穴を掘って、ダムを破壊する。魚とりの道具を壊し、魚網の中の魚介類を食べてしまう。更に、工業インフラの一部もカニの破壊の餌食になった。世界自然保護基金 (WWF)の報告によると、ドイツだけでも上海蟹による損失はすでに8000万ユーロに達している。
独誌フォークスによると、中国の上海蟹がドイツの川に侵入したことは「グローバル化の産物」である。しかし、ドイツのミュンヘン大学の生物学教授は、「これは自然界の発展における正常な過程であり、しかし、この現象はいまよく見られる」と認めている。今、多くの船倉にはエアコンがあり、一部の生物にとってより生存の機会を提供するようになった。これまで、ドイツに移住した外来種はすでに2000種類を超えている。
教授はまた上海蟹のため「弁護」してこういう。「一部の小動物に攻撃性が備わる原因は、人類が彼らの生活条件を変え続けているからだ。中国の川がまっすぐになり、堤防やダムができて上海蟹はこれまでの産卵地域への道を断たれ、工場は河川を深刻に汚染した。こうして中国の上海蟹の数量は下がり続けている。ドイツのエルベ川とハベル川の水質は清潔で、上海蟹にとてもよい生存条件を提供している。」と述べた。
これまで、ドイツの漁民は捕った上海蟹を石鹸や動物飼料に作りかえたり、また単純に大量に殺してきた。だが、効果は明らかではなかった。同時に、化学薬品による大量殺傷には反対している。うなぎなどの魚類も殺してしまうからだ。後に、上海蟹をたべる漁民が現れ、彼らは定期的に美食が好きな中国とベトナムの家庭やアジアのスーパー、レストランに上海蟹を販売、1キロ5―8ユーロで売れた。最近、多くのドイツ漁業会社と漁民がこの商売を始めた。夏の不景気な漁業の状況も緩和できる。
ヨーロッパ水域では他の淡水カニがいないため、現地の人はこの変な動物が食べない。中国の上海蟹がヨーロッパで繁殖して、純粋な品種を保持する。2003年からは、中国商人がドイツの上海蟹を中国に輸送して中国で繁殖し始めた人もいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月3日