「元芳、そなたはなんと見る?」-----。
これは、もともと2010年放送の中国ドラマ「神探狄仁傑」に登場するせりふだ。このせりふが最近、ネット上で突如大ブレイクしている。唐の時代の高官をモデルとした主人公、狄仁傑(ディ・レンジエ)が、護衛隊長の李元芳(リ・ユエンファン)に向けて発するこの問いかけを、ネットユーザーたちがパロディーにして文章を作り、「元芳体」と呼ばれ「杜甫很忙」(杜甫は大変忙しい)「包大人很黒」(包大人の顔はすごく黒い)などに続く新しいネット流行語となっている。新華網が報じた。
劇中で、狄仁傑は事件を分析する際に、いつも側にいる護衛隊長の元芳に「元芳、そなたはなんと見る?」と聞くのだ。最近、ネットユーザーがこの言葉を使って、住宅価格や野菜価格、仕事や同僚関係などさまざまな身近な話題、娯楽やスポーツなどの多様な話題やネット上で流行している各種の問題について、この狄仁傑の護衛隊長の見方を問いかけている。
「この2年間で、粉ミルクの値段は倍近くまで急騰している。元芳、そなたはなんと見る?」-----。中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」で、元芳体を使った投稿はすでに99万件以上に上る。中国の大手ポータルサイト「搜狐網(SOHU)」の最高技術責任者(CTO)、王小川氏もこのブームに参加し、「元芳、最近流行している『江南スタイル』をそなたはなんと見る?」と投稿。これに対し、あるネットユーザーは元芳になりきって「快播(動画共有サイト)で見るつもりです」と回答している。
インターネット専門家、劉興亮氏はこの現象について、「身の回りで起きた出来事や話題の事柄に関して、ネットユーザーたちはさまざまな見方を持っている。「元芳体」の流行は、一種のストレスの発散であり、感情をくだらない笑いで吐き出しているのだ」という。劇中、狄仁傑がこの問いかけをするとき、元芳は答えを出さない。返事はいつも「この事件には必ず裏がある」だ。現在、ネットユーサーが熱狂して使用している「元芳体」の問いかけに対しても、同じように答えは不要だ。答えはネットユーザーの問いかけの中にすでにある。
「人民網日本語版」2012年10月22日